パスつなげあれこれ | 3倍早くなるためのDTP講座

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DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

Illustratorではパスの端点同士を連結するのはよくありますね。連結する方法はいろいろありますが、ここでは3つの方法をご紹介いたします。



まずは定番の「連結コマンド」、オブジェクト>パス>連結(コマンド+J)。これはアンカーポイント同士を直線で結びます。単純で分かり易いですね。



昔は3点以上のアンカーポイントを選択していると、警告が出て連結できませんでしたが今は改善されています。

CS4は未使用なので知りませんが、少なくともCS5.1以降では複数のパスを選択している場合、距離の近いアンカー同士をつなげてくれます(但し、白ポイント含む選択は不可)。破線などをサッとつなげたい場合は非常に便利です。




また、アンカーポイントが重複していても重複アンカーは自動的に削除するので、ぶちぶち切れているような図形の修復も簡単です。





オープンパス同士の連結は一番間隔の広い箇所はつなげません。これは、複数のパスを一本につなげたときに余計なパスを作らないためだと思います。クローズドパスにしたいときは、さらに連結(コマンド+J)すればいいだけですから。





私、連結時は端点のみ選択するクセがついているうえ、複数のパスはスクリプトでつなげていたので最近まで気付きませんでした^^

Illustratorなのに、というのは大変失礼ですが、出現順(階層順)につなげるような機械的な仕様でなく、見た目通りの感覚でつなげてくれるのは驚きました。

これよく考えられています。うん、ナイス仕様。




次に、現在最新のCC2014から搭載された「連結ツール」をご紹介。これは形状が限定されますが、アンカーポイントの連結がさらに手軽になります。




まず、パスが交差している場合は、ドラッグした箇所を削除して連結します。角が続くような形状の場合、ペンツールで方向線を切り替えながら作成するより、ササッと交差したパスを描いて連結ツールでつなげる方が簡単です。





また、パス同士が離れている場合は、端点を延長した交差点をコーナーポイントとしてつなげるので、角の欠けたようなパスの復元は手動では困難ですが、コンマ数秒で完了できます。


仕組みはこういう感じ。曲線でもそれなりに延長してくれる。





このツールIllustrator標準にしては珍しく、選択していないオブジェクトにも適用できるうえ、大ざっぱにドラッグするだけなのでとても使い勝手が良く、ペンタブやタッチとも相性が良いです。

これはサードパーティのプラグインの影響を受けている気もしますし、タッチ操作を意識しているようにも見受けられます。どちらにせよ、良い方向に進化していますね。

ただし、形状によっては元のパス形状をカットしますし、点線のようなものはつなげられません。

連結ツールは単純にパスの端点同士を連結するものではなく、交差部をつなげたり、端点の延長部をつなげるという、ちょっとクセのあるツールだと認識しておきましょう。

仕様をきちんと理解すればパス連結の強力な助っ人になることはまちがいなさそうです。

※テストでは空振りや削除の順番が違うと連結できないこともありました。もっと使い込んでみないとわからないことがありそうです。




最後に、AsututeGraphics社の無料プラグイン「SubScribe」の「connectツール」をご紹介します。



いい感じにパスを連結するならこちらがオススメです。連結ツールに似ていますが、つなげ方はかなり違います。機能的に被らないので併用するとよいでしょう。(CS5以降で使えます)。

connectツールは、連結の際に端点の延長をコーナーでなくスムースにつなげてくれます。こちらはどのような形状でもつなげられ、元のパス形状を維持したまま自然につなげるような感じです(多少パスが変形することもあります)。





操作も連結ツールと同じドラッグですが、アンカーポイント同士をスナップする必要があるので、連結ツールのように大ざっぱにいきません。

こちらはフリーハンドのものをつなげるような場合に使うと良いでしょう。

このようにIllustratorには異なる連結方法があります。各機能の仕様を踏まえてケースバイケースで使うとパス連結が捗りますよ。


余談ですが、CC2014持ってないけど連結ツールいいなーという方には有料プラグイン「DynamicSketch」をおすすめします(CS5以降)。機能的には交差部の削除に限りますが、連結ツールと同様にドラッグするだけで素早く連結ができます。
※DynamicSketchの機能の一部です。