Illustrator強化作戦 4 -プラグイン- | 3倍早くなるためのDTP講座

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DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

次はプラグインでIllustratorを強化だ。


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まだやってたの? と聞かれたら、答えてあげるが世の情け。
そうです、わだすがへんなおじさんです。
だっふんだ!

あれ? これスタートから半年以上経ってる。
早く終わらせないと。

とかいっているうちに、また新バージョン発表されましたね。
たしかCS6.5ですよね。去年Adobeさんが言ってたから間違いないです。
1年ごとに.5ずつ上げてくんだって。

って、何がCCだー! コラー!

まあ、CS6UPGを買ったのに封も開けない私には関係のない話でございます(Illustratorは借りてるだけで使ってない)。

言ったところで何も変わらないので、この辺でおしまい。

さて、Illustratorに「プラグイン」を組み込むと、様々な機能が追加できます。
後付けではなく本体を拡張する構造なので、スクリプトよりも高度な処理が可能です。
標準でもできなくはないけど、なんだか時間や手間がかかる作業はプラグインで解決できるケースもあります。

対応プラグインは、Adobeの公式サイトで紹介されています。
サイトを見てみると、開発を数バージョン前で中止しているメーカーさんも見受けられます。
このところのバージョンアップ頻度と需要の関係もあるのでしょうか。
KPT VectorEffectsはもうとっくに過去の人(?)なのですね。

で、個人的に気になったプラグインをご紹介します。

●図面作成(CADTools
図面の作図は、壁の厚みやドアの半径なども考慮して作るので、標準機能ではけっこう手間がかかります。
CADToolsはかなり高度な図面作成用のプラグインで、HPの説明を見てもかなり手間が軽減できそうです。

例えば、標準機能では寸法を記入する場合、テキストを入力していかなければなりません。
文字の位置取りも、左右のセンターに入れるだけでもけっこうな手間です。

しかし、このプラグインは縮尺率から自動で計算して寸法を自動生成します。
見本はツールを持ってパス上をドラッグしただけです。矢印のスタイルやサイズなどは簡単に設定でき、自動でセンターに入れることもできます。

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このツールとパネルの設定項目を見て、「お主、出来るな…」と感じました。
寸法でこれなら、作図のほうも期待できますね。

私はなぜかプリントアウトからIllustratorで図面を起こすことの多かったので、とてもうらやましいプラグインです。

●イラスト(WidthScribe
CS5以降の線幅ツールはイラストを描くにはとても素晴らしい機能です。が、線幅ツールでビロッと引っ張ってタッチを付けていくのはとっても面倒です。
以前、筆圧感知でタッチを付けられるDynamicSketchを紹介しましたが、同じメーカーさんからWidthScribeという線幅調整プラグインが登場しています。
線幅のグラデとか、イラストソフトにあるような「ドラッグでなぞって線幅を調整」できるのも面白いです。

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↑グリグリなぞるとタッチがつきます。

が、なかなか思うようにはいきません。DynamicSketchといい、惜しいです(個人的感想です)。プラグイン側でなく、Illustrator側の線幅機能がネックだと思いますが…。

もし、Illustratorが完璧な線画作成ソフトになったらイラストの使い回しが利くし、ベジェに慣れてる人多いし最強なんですけどね。

●カラー変換(Phantasm
カラー変換は標準機能にありますが、細かい部分までは調整できません。

このプラグインを使うとベクトルオブジェクトや埋め込み画像をPhotoshopとほぼ同じUIを使って色変換できます。
ベクトルデータをでトーンカーブやレベル補正で調整するなんて、何だか不思議な感じです。

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↑埋め込み画像もIllustratorから色変換


効果メニューから適用すれば、効果(アピアランス)となるので、Photoshopで言えば調整レイヤーのような扱いになり、いつでもリセットや編集ができます。フィルターメニューからは一発がけになります。

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↑ベクトルデータの色変換もPhotoshopライクに。効果ならアピアランスパネルから変更できます


ただ、Photoshopのように情報パネルからカラー値を確認できなかったり(代替機能とかあるのかな?)、埋め込み画像の選択範囲が取れないのが気になります。まあ、埋め込み画像はオマケみたいなものでしょうけど、ちょっと補正をするのにPhotoshopで開いて再リンクする手間が省けるのはありがたいです。


●作図、ロゴ作成、トレースなど(ExtremePathVectorScribe
Illustratorは、古くからベジェ曲線の編集はあまり変わっていません。
不思議なのは、ハンドルの左右対称すら出来ないこと。楕円などで片方を動かしたらもう片方は手動で目見当になります。
正確にトレースするならリフレクトツールを使わなければなりません。

また、いまだに角丸も任意の角を選択することは出来ません。CS4からはフィルターの角を丸くするがなくなったので、部分的な角丸はとても手間がかかります。このような場合もプラグインなら簡単に作れます。

ちょうど同じ機能があるので、2つのプラグインを比べてみましょう。

◆対称
・ExtremePath
セグメント対称ツールに持ち替えてパスをドラッグします。
角度はドラッグで決めますが、指定の角度は数値をパネルに入力します。
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↑わかりやすいけど、shiftで垂直とかしてほしかったな


・VectorScribe
PathScribeツールに持ちかえてパスをドラッグします。
掴む位置と修飾キーの組み合わせで動きが変わります。対称にする場合は真ん中あたりを掴んでshiftドラッグします。
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↑よくわからないけど、修飾キーをいじると設定が変わる


◆角丸
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・ExtremePath
角丸半径やスナップを設定して、1角ずつドラッグします。5mmと指定があるなら、パネルで5mmとしておけばドラッグするだけです。ドラッグでのスナップ値を指定できます。
パス形状は変更されるので、二度がけはできません。
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↑わかりやすいけど、もう少し手間を減らして欲しい


・VectorScribe
4つの角を選択して数値を5mmにして実行ボタンを押せば、まとめて変更できます。半ライブ状態なので、後からの変更も可能です(メニューから確定することもできます)。個別にドラッグもできますが、スナップはしません。
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↑なかなか面白い動きをします。まとめがけは嬉しい

ExtremePath、VectorScribeは同様の機能もありますが、フォローしている機能はだいぶ違います。どちらもデモ版がありますので、興味のある方は試してみてはどうでしょう。
ちなみにExtremePathは日本語版で操作方法などが細かく記されています。

Astute GraphicsさんはSubScribeという無料のプライグインも配布していますので、合わせて使うと機能が更に増えます。

他にもオートトレース、バーコード作成、データベース流し込み、3Dカンプ作成、地図作成、フォント作成などいろいろあります。標準機能では手間のかかる作業も、プラグインで強化すればラクして正確にできるものもいっぱいあります。

公式ページに載っていないプラグインも多数存在しますので、用途に合わせて探してみましょう。

プラグインの注意点としては、本体に食い込んで動作するので、プラグインのない環境では再現できないものもあります。
トラブルの元になりますので、使うプラグインがどのように動作しているのかしっかりと把握しておきましょう(無い環境で開けるかなど)。

最近はAstute Graphicsさんが勢いありますね(個人的にも気に入ってます)。新プラグインのColliderScribeもなかなか興味深い(使わないけど、技術的に^^)。コンセプトと完成度は素晴らしいです。ほんと、これらの機能を標準で組み込んでくれたら、Illustrator本気だ!って思えるんですけどね。

Astute Graphicsさん本家ではラインナップを再編しているようで、以前のDrawScribeやPhantasmは複数のプラグインに切り分けたようです。そのぶん、お求めやすくなっています。代理店のフラッシュバックさんではまだ旧バージョンですね。

プラグインはだいたい有料ですが、最近のCCを見ていたらとっても安く思えてきました。
5,000円のプラグインを5年使ったら、月額84円ですからね。

無駄な手間と時間をかけるなら、お金で解決するのも一つの手ですよ(ムチャクチャ言い方悪いなぁ)。