前々回の記事で、スクリプトの起動はスクリプトフォルダに入れて、いちいちメニューからプルダウンするので面倒だよ、ショートカット化がいいよという提案をしました。
しかし、標準キー設定では個別のスクリプトはショートカット化はできず、Illustratorにはスクリプトパネルもない(InDesignにはあるのに)。
回避策としてものかのさん作の「ScriptPalette AI」を使いましょう、と言いましたが、そのものかのさんが、もっともっと素晴らしいものを作ってくれました!
しかもいろいろ(めんどうな、いやめんどくっさい)要望をまとめてドーンと搭載していただきました。もう感無量です。(T^T)
ものかのさん太っ腹っ!
と、前置きがとっても長くなりましたね。期待されている方、すみません。
ものかのさん作、ScriptKeyAiのご紹介です。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/60/de/p/o0432039012256238110.png?caw=800)
↑設定モードのUI
読んで名の如く「Illustrator のスクリプトにキーボードショートカットを設定するソフト」です(Read me 抜粋)。
任意のキーを押すだけでスクリプトが実行するという魔法のようなソフトです。
ついでにRead me から、
・Cocoa 版は OS X 10.6 以降。Carbon 版は OS X 10.5 以降。
・設定したショートカットはScriptKeyAi が起動しているときだけ効きます。
・設定したショートカットは Illustrator が最前面にあるときだけ効きます。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/ed/b7/p/o0434045512256237714.png?caw=800)
↑アイコンがカワイイ!
では、スクリプトを起動するまでの流れを説明していきましょう。
●まずスクリプト登録
左上の「+ボタン」を押すことでスクリプトファイルを登録できます。ダイアログ上で複数選択も出来るので、効率よく登録ができます(メニューバーから(cmd+O)も登録できます)。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/d8/77/p/o0432039012256237713.png?caw=800)
また、ドラッグ&ドロップでも登録ができます。複数可、これは便利!
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/04/53/p/o0500033412256237715.png?caw=800)
↑使い勝手いいです
まあ、お好きな方法で登録しましょう。
●次にショートカット設定
Macではおなじみの修飾キー+任意のキーでショートカットが作れます。
任意のキーはプルダウンから選びます。設定も直感的で超カンタン。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/e9/41/p/o0432039012256237711.png?caw=800)
設定したキーコマンドはスクリプト名の横に記載されるので、忘れたら確認しましょう。^^
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/df/ec/p/o0432039012256237712.png?caw=800)
あ、ここでムリにキーを設定しなくてもいいんです。設定しないとグレーアウトしますが、このソフト、ショートカットだけではありませんので。
●スクリプトを起動する
さて、この時点でもうショートカットによるスクリプトの起動ができるようになりました。
試しに、kamisetoさんの「ai_splitLine.jsx」を標準機能のように使ってみましょう。
これは改行ごとにテキストを分けるという実用的なスクリプト。私はよく使わせて頂いております。
テキストブロックを選んで、ショートカット「control+S」。
![$3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/f0/00/p/o0390029612256237224.png?caw=800)
↑コマンド+C(コピー)のようにスクリプトが使える
ね、すごいでしょ。
★一覧モード
さて、驚くのはこれからです。
モードを「一覧モード」に変更するとパネルが変形し、スクリプトをダブルクリックで実行することもできるのです。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/09/32/p/o0233097912256237225.png?caw=800)
↑ガション、グイーン! 変形アニメーションはデフォルトでオフになっていますが、オンするとアニメーションします。
さきほどショートカットを設定しなかったものも、こちらのモードではダブルクリックで実行することもできます。
ウインドウサイズもここまでコンパクトになるので邪魔になりません。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/1b/c5/p/o0293027512256238109.png?caw=800)
↑実寸です。コンパクト!
ショートカットも表記されるので確認用としても使えるし、ダブルクリックで実行も出来るし、サイズも最小化が可能。もう言うこと無し! これ、実用的だし、スゴイです。
★設定モードの機能と注意
●ダブルクリック
スクリプト名をダブルクリックするとオリジナルファイルを表示できます。
●有効/無効の切り替え
右側のチェックボックスで有効/無効を切り替えられます。一時的に使うものなどは登録しておいて使わないときは無効にすることができます。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/42/21/p/o0432039012256237223.png?caw=800)
●上下移動
ドラッグで位置の上下移動もできます。任意で並び替えられるので、名前順にしたり、キー配列順にしたり、同じグループでまとめたりできます。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/33/47/p/o0397036412256237222.png?caw=800)
●ショートカットのバッティング
気をつけたいのはショートカットのバッティング。
修飾キー+任意のキーは標準やカスタムのショートカットとバッティングする可能性があります。Illustratorとバッティングした場合はScriptKeyAiが勝ちます。
OSの場合は両方実行。バッティングしそうなショートカットの作成は要注意です。
さて、Illustratorの標準ではコントロールキーが割り当てられません(少なくともCS5時点)。ということは、コントロールキーを絡めれば原則バッティングしないことになります(OS側とはバッティングする可能性があります)。というわけで、コントロールキーの併用がオススメです。
●フローティングモード
10.6以降のcocoa版にはFloating機能があります。オンの状態ではパネル左上にFloatingの文字が出て、常に最前面で表示します。
●プレーンテキストでペースト
さて、おまけ(?)で付いている「プレーンテキストでペースト」にも注目!
Illustratorのテキストはコピー元の属性が残るので、InDesignのようにペースト先の属性でペーストができません。ここにチェックが入っているとペースト先の属性でペーストできます。
さりげないですが、かなり便利な機能です。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20121027/01/knym71/f3/13/p/o0452027912256237221.png?caw=800)
もともとはすごくシンプルだったこのソフト、私のワガママ要望をいっぱい出したら複雑な仕様になってしまいました。責任をもって解説させていただいた次第でございます。^^
とは言っても、至ってシンプルで直感的で分かり易いと思いますが、みなさまいかがでしょうか?
現在ベータ版とのことですが、いえいえ、すでに完成の域に達しております。
私は開発途中版から実務で使わせております。
またIllustrator強化の宝物が増えましたよ。
ものかのさん、いろいろ無理難題押しつけましてすみませんでした&本当にありがとうございました。m(_ _)m
あ、Mac専用ですよ。。。
☆★☆★☆祝!正規版リリース☆★☆★☆
ついに正規版がリリースされました。ので、ちょっと追記いたします。(2013.3.25)
まず、書きもらしたこのソフトのメリットを。
通常スクリプトは、指定のスクリプトフォルダに置くとメニューから選択できるようになりますが、Illustratorは起動中の追加は認識しません。InDesignはするのにね。^^
よって、Illustrator作業中でのスクリプト追加は再起動が必要となりますが(その他のスクリプトから直接選択って手もあるけど…)、ScriptKeyAiならUI上に追加するだけですぐに使えます。
これは思った以上に快適です。まあ、そんなに頻度はないけど。^^
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20130326/01/knym71/d7/de/p/o0800048712473502929.png?caw=800)
↑フォルダに置くだけならまだしも、再起動は腰を折られる
また、複数のIllustratorを使用している場合、同じスクリプトをそれぞれのバージョンのスクリプトフォルダにコピーしているケースもあると思います。
ScriptKeyAiを使えば、バージョンをまたいでも使えるスクリプトも複数持たずに済み、共通のスクリプトを一元管理できるというもメリットもあります。
バージョンをまたいで使えないスクリプトもありますし、人によって作業方法が異なるのでケースバイケースですが、少なくとも私は重宝しております。
●「プレーンテキストでペースト」の強化
Illustratorで文字のコピペの仕様は、本家HPの「詳細」に詳しく書かれていますが、コレけっこう恐いです。
うっかりすると事故につながるようなこんなIllustratorの仕様も、ScriptKeyAiががうまいこと内部でゴニョゴニョしてくれて、それでも無理なものは警告を出してくれます。
これは文字に詳しいものかのさんのなせる技。このような仕様、本当に助かります。
ダウンロードファイルにテストサンプルが同梱されているので、使用前に試してみましょう。
●注意点
・Illustratorの複数バージョンを同時に起動している場合は使用できません。使用の際は一つのバージョンのみの起動が前提となります。
・スクリプトファイルの場所を移動したり名称を変更してしまうと認識しない仕様になっています。移動やリネームなど、ファイルの管理には気をつけましょう。
![3倍早くなるためのDTP講座](https://stat.ameba.jp/user_images/20130326/01/knym71/3f/8b/p/o0500023312473502928.png?caw=800)
↑複数起動時は警告きます。
〈2016/04/08追記〉
ものかのさんが2016年1月にScriptKey Aiの後継ソフトであるSPAiをリリースされています。
(私の紹介記事はこちら)
大幅な機能強化が施されていますので要チェックです。