Illustrator強化作戦 1 -SubScribe- | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

前回は「Illustrator 25周年おめでとう」といいつつ文句ばっかり言っていましたが、本体が貧弱ならお助けメカで強化しようという結論に達しました。

そこで、いろいろなツールを用いてIllustratorを補完し、Illustratorを強化するというテーマで進めてみようと思います。ただ、Illustratorは現在バージョンが16(+サブバージョン)もあって、なんだかな~も~状態なので私がメインで使っているCS5.1(Mac版)を基準とさせていただきます。

他のバージョンが対応していなくても責任持ちませんのであしからず。^^

さて、Illustratorで図版作成やトレースをしていると、パスの挙動や不自由さにイライラすることがあります。だって、パスや矩形ツールの基本描画はIllustratorの初期から変わっていないんですから当然と言えば当然ですよね。

そこで、今回はパス操作補助のプラグイン、Astute Graphicsさんの「SubScribe」をご紹介します(前回動画だけ貼ったやつです)。

3倍早くなるためのDTP講座
↑インストールするとこんなツール類が追加されます



●Circle by 2 or 3 points
たとえば円をトレースする場合、Illustratorの楕円ツールは円のフチでなく円の外周の四角(バウンディングボックス)左上か中心からしか描けません。よって、ガイドを引いて描いてからずれた部分を移動や拡大縮小による微調整をしていると思います。

3倍早くなるためのDTP講座
↑はっきりいって面倒です。円一つトレースするのにどんだけ手間かかるんじゃ


しかし、Circle by 2 or 3 pointsツールを使うと難なく正確なトレースができます。操作は3つのポイントを設定するだけ。
最初の接点をクリックし、2点目からドラッグして3点目でマウスを離すだけ。下絵のトレースのような場合、こちらが便利です。

3倍早くなるためのDTP講座
↑3点指定なので簡単なうえ正確に描けます



また楕円ツールは、2点間を直径とした円を描くのも苦手です。
Circle by 2 or 3 pointsツールなら1点目からドラッグして2点目で離せば、ドラッグした軌跡を直径とした円が描けます。これはトレースよりもパスに吸着させるような円を描く場合に重宝します。一応、シフトキーを押すと45度制限で描画できます(アンカーポイントは対角線を中心に生成されます)。

3倍早くなるためのDTP講座
↑アンカーやパスの間に円を描く場合、ムチャクチャ簡単です。

これらは正円の描画に限られます。楕円は描けません。

●Tangent Circle
2本のパスを選んで間に接する円を描けます。円の直径は数値で指定できます。

3倍早くなるためのDTP講座
↑2本のパス上をドラッグ

3倍早くなるためのDTP講座
↑ダイアログが現れ数値入力ができます


●Curvature Circle
既存の曲線に正円を重ねることができます。ドラッグで円の大きさを変えられます。

$3倍早くなるためのDTP講座
↑曲線にマウスを当てるとカーブに合わせた正円が出現します。がたついた線を雲形定規で整えるようなものでしょうか


●Connect
Illustratorのパスを繋げるのはけっこう難しいものです。
なぜなら、ハンドルの向きをきちんと合わせないと接続部分がいびつになってしまううえ、ハンドルを一点一点手動で調整しなければならないからです。更にハンドルを2本連動させた場合は反対側のハンドルに影響が出るので元のパスが変形してしまいます。

このツールは、2点間をドラッグするだけでキレイな曲線で繋げてくれます。ハンドルの方向やカーブを計算しているのだと思いますが、とても自然な感じです。少なくとも私がハンドルをいじるよりも。^^

$3倍早くなるためのDTP講座
↑こういうの繋げるのって、けっこうめんどうですよね(特に左側)


●Straighten
アンカー間のパス上をクリックすると水平か垂直になります。縦横は自動判別するようで、カーソルをパス上に置くとプレビューが現れます。オプションキーを押せば、自動判別とは逆の直線になります。

3倍早くなるためのDTP講座


●Arc by three point
最初の1点をクリック、2点目でドラッグし3点目の線上に正円の円弧が描けるツールです。正円なので左右対称なうえ、歪みのない美しい曲線が描けます。

3倍早くなるためのDTP講座
↑トレースする場合はこちらの方が正確にできそうです


●Arc start-end-direction
Arc by three pointと同じですが、最初の1点をクリック、2点目でドラッグし3点目はハンドルでの操作になります。
3倍早くなるためのDTP講座
↑感覚でやる場合はこちら? 似たような操作感ですけど

●Orient
まずはオブジェクトを選択して2点間をドラッグすると始点と終点と軸が生成されます。この軸を中心に選択したオブジェクトを回転できます。

シフトを押しながらドラッグすれば45度単位で回転されます。オプションを押しながらだと複製するというIllustratorのルールも適用されています。

3倍早くなるためのDTP講座
↑水平垂直に戻したいときに便利です


さらに画像の場合、オプションを押しながらクリックするだけで角度を0に戻せます。

3倍早くなるためのDTP講座
↑これは便利!


●Line tangent to two paths
2つの円の正接から正接へパスを結びます。
コップのような二つの楕円の外側から外側へパスを引きたいときに簡単にできるツールです。

3倍早くなるためのDTP講座

●Line tangent to path
任意の点から正接へパスが引けます。ただし、任意の点から正接に接する位置は2箇所しかないので、あまりにずれていると反応しません。位置が合うとアンカーが白く大きくなります。
3倍早くなるためのDTP講座


●Line tangent from path
正接からパスが引けます。
3倍早くなるためのDTP講座


●Line perpendicular to two paths
2つの円を垂直の線で結びます。

3倍早くなるためのDTP講座


●Line perpendicular to path
任意の点から円の外周へ垂直の線が引けます。ただし、任意の点から外周へ垂直に接する位置は2箇所(内側と外側)しかないので、あまりにずれていると反応しません。位置が合うとアンカーが白く大きくなります。

3倍早くなるためのDTP講座


●Line perpendicular from path
外周から垂直の線が引けます。
3倍早くなるためのDTP講座


Illustratorの用途は実に様々で、数値が重要であったり逆に見た目が重要だったりするので、プレビューを見ながらドラッグ操作しつつ、数値でも管理できるのが理想的です。

また、いくら機能として備わっていてもいくつかの工程を要したり、いちいち別のツールに持ち替えなければならないのは残念ながら実用性に欠けてしまいます。

このベンダーさんのプラグイン(他のものも含めて)は、そのへんの使い勝手を考慮して作られています。機能的にも使いやすさもよく考えられていて、久しぶりに感動してしまいました(残念なのは私は実務で使うことは少なそうなこと。でもハマるところにはハマることでしょう)。

CS3~CS6に対応(現時点ではwinはCS5まで)、ちなみにお値段は「無償」のようです。
ええっ、ありえない!

さて、全体的に私の説明ではわかりにくいと思いますので、公式サイトの動画をご覧いただくとをおすすめします。英語ですが見ればだいたいわかると思います。

※英語のわからない私が動画を見てレビューしているので足りない部分、間違っている部分があるかもしれません。お気づきの点がありましたらご指摘いただけると助かります。^^