ちょっとここで今後の進行をわかりやすくするため、架空の本をでっち上げます。
横組みB5で本文100ページ、10章立てで章ごとに改ページという体裁の書籍を作るとしましょう。さらに章ごとに色を分けてツメをつけるとします。ハシラは左ページに章タイトル、右ページに節タイトルとします。
↑テキトーですみません^^
↑章見出しは改ページ。前章の内容により左右ページに動きます
InDesign寄りはみえみえですが、まあ一般的な書籍ではないでしょうか。
InDesign使いから見るとこれをIllustratorで組むのはムボーだと思いますが、100ページは力業でできない範囲ではないようです(ワタクシは見たことあります^^)。
●マスターページ
Illustratorで同一体裁のページものを組むのは、雛形データから作り上げていくのが一般的でした。しかしこれだと見開きで作ったとしても50ファイルになってしまいます。
もしも再校時にオビの幅を1mm縮めるという修正が入ったとしましょう。
作り方により多少の手間は変わりますが、Illustratorの場合は50ファイル全てを個別に修正しなければなりません。
また、2章の色味を変更したいとなると、2章のあるファイルは全て修正することになります。
一方、InDesignでは同一体裁のレイアウトは「マスターページ」という機能を使って作成します。
マスターに置いたアイテムは一括してマスターページで管理するため、修正が入れば大もとの一つを修正すれば済んでしまいます。
↑本文のマスター。さっきの見本とバランスが違うのは見なかったことにして^^
↑章見出しのマスター。本文の子マスターとして作成しているので、本文と共通の修正は本文マスターを1箇所修正すれば自動的に変更される
また、見開きで作成したIllustratorデータは改ページの場合、ページの増減により章見出しが移動するとレイアウトの組み直しとなります。
最初でずれてしまえば以降全てを組み直す可能性もあります。
これもInDesignでは見開き用のマスターを適用しておけば、章ごとにファイルを分けていてもノンブル設定を変更するだけです。
↑章見出しは奇数だけど、
↑ノンブルを変更するだけで
↑左右ページが入れ替わります
このように、InDesignでは複数のページが1ファイルで完結しているため、作成や修正が驚くほど簡単になるのです。
IllustratorもCS4からは、複数アートボードが搭載され複数のページを扱えるようになりましたが、やはり修正などは基本個別にしなければなりません(レイヤー管理とかリンク配置とかは思いつきますが…、めんどうには変わりない)。
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マスターページ
マスターページのつづき