もはや四大陸の女子SPまで終わっちゃったんですが
つらつらと全日本の女子の話なんぞをしてみちゃおうかなって思います。


始まる前から既に私は

女子は 真央 アッコ かなこ で決まりやろ

って思っておりました。はい、友達にも何度も言いました。
「安藤さんは無い」って。
実際やっぱり無かったんですが、事前の状態からして佳菜子ちゃんが知子ちゃんに食われる可能性はもしかしたらあるかもしれないけど、それでもランキング等で佳菜子ちゃんやろって思ってたので

あんまり緊張感が無かったのは事実です。


反面、やはり6強だのなんだのと騒がれ、大輔さんの怪我もありーの男子はどきどきはらはらで落ち着いて見るとか

ないわーまじないわー

状態だったのですが

やはりいざ始まるとその緊張感はハンパ無く凄かった。


で、女子SP。

凄かった。女子は強い って言うけど
今の女子の陣容を考えるとけして男子ほど恵まれているとは言えないよなって思ってたけど


違うなぁと


全日本の女子は強くあらねばならんのです。

彼女たちは うんと小さい頃から

ノービスやらジュニアの頃から

強い全日本の女子を見て育っているのです


だから、


彼女たちの心には鋼の芯がしっかりと備わっているのです。


もちろん、全日本なので点数がインフレするのは当然なんですが、
連盟は

絶対に安藤さんを台に載せたくなかったので

宮原さんから 大盤振る舞いが始まりましてですね


ノーミス最終グループは

もはや

天井知らず…な点数になりまして

我らがあっこさんはSPで70点台に乗るというオマケまで付いてしまいました。



で、フリーですよ、フリー。


これでもか、これでもかの良演技の連続でジュニア陣が先陣切った後の最終グループ。


1番滑走 宮原さん
ポエタ。正直、もうちょっと軽やかな曲の方が彼女のスケートにはあうのでは?と思うのですが、彼女身体は小さいんですが、顔は大人っぽいというか、ふけ顔なので、なんかかわいらしいって路線も難しいだろうし。
でもフラメンコは踊れる子じゃないと苦しいというか

タンゴやらラテンは、とにかく男女共に日本には「ラテンマスター」が居るので、目が肥えちゃってるからなぁ…
あと、衣装のクオリティが低い。こういうの、数点差を競ってるなら大事だなって思いました。邦和の子たちの衣装クオリティ見てると、差がありすぎる。勿体ない。

それでも、彼女の怖い所はエレメンツを全てこなせるって事。多少の回転不足やらはまだ小さいから仕方ないですが、エレメンツは積み上げれば点数は付いてくる。そして、点数を積み重ねているといつの間にかPCSも上がってくるという

不可思議な昨今の中では、彼女の点数を取る着実さというのは、PCSで差を付けたいベテラン勢には怖い存在。ロシアのリプニツカヤやラジオノワに同じ事を散々やられて今期久しぶりにファイナルを逃したあっこさんが2番滑走ってのも、地味にどきどきでございました。


2番滑走 あっこさん
感無量。あっこさんのオペラ座の怪人。宮原さんのTESを寄せ付けない、素晴らしい演技。
きっとあの2回の下から若手のTES祭りにブロックされた経験も生きたと思う。

これね、これね、やっぱり上にも書いたけど衣装変えて2割くらい印象良くなったと思うの。前の衣装も悪くはないんだけど、あっこさんは「もっと出来る子」って感じだったので、白いクリスティーヌはやっぱりそれだけで「クリスティーヌ」なのよ。

ジャンプもスピンもステップもオールオッケー。
終わった瞬間男子の方をガン見すると

織田氏、無良氏は涙ふきふき、こづは拍手。で、大輔さんはちょっとぼうっとした感じでじっとあっこさんを見つめておりました。


わたしねー大輔さんはねーこういう演技を求められていると思うよ~

あっこさんのオペラ座には難しいコンボもない
3連続も2A-3Tも前半
キャンドルスピンもパールスピンもないし、ぎりぎりビールマンスピンが目一杯だけど

TES勝負の若手にはそりゃ負けてしまうかもしれないけど

あっこさんの積み重ねて来た時間でしか、出せない様な「味」がある
なんとも言えない凄みのある

完璧パーフェクトな演技だったよ

大輔さんが、もしこういう演技がソチで出来ればメダルは付いてくる

もし、それで駄目だったなら

もうフィギュアはそういう競技になってしまったんだから
仕方ないんだと思うよ


私は、何だかそういう大輔さんと氷上で飛び跳ねているアッコさんを交互に見ながらそんな事を思っておりました。


3番滑走 安藤さん
出来は昨日のSPに比べれば完璧さには遠い演技でした。もうね、それは6分間練習で分かっていたから、それでも

ソチを目指すなら一発逆転 高難度ジャンプしかなかった訳で

ジャンプも安藤らしく最後までいきたい

という彼女の気持ちを思うと、よくやった!と思う気持ちと、でも構成をもう少し落としてパーフェクトに滑ってくれても私は嬉しかったよって思う気持ちにサンドイッチされました。
結局彼女は「ジャンプの安藤」である自分を選び、ニコライが散々教えた「出来る事をパーフェクトにする安藤」でいる事を良しとしなかったのだなぁと、思うとビミョウにニコライごめんって気分になる。それでも、この雰囲気の中で最後まで勝負を捨てなかった安藤さんも立派に全日本最終グループの女子だったと思います。


4番滑走 遥ちゃん
昨日のSPが良かっただけに、フリーは崩れてしまうのではって思いましたが、杞憂。
流石「死ぬのは怖くなかったけど、全日本に出られないのは怖かった」とか鋼の女です。いったい彼女のどこにこんな強さが隠れていたんだろうって思うくらいの良演技。
こ、これわ… 佳菜子どうよ、どうなのよ…
と思ってたんですがね。素晴らしい遥ちゃんの演技でございました。
家帰って塩原付きで見る苦行をなんとかしたい。


5番滑走 佳菜子ちゃん
SPは一昨年のやつに戻して滑りきりました。貯金もあります。遥ちゃんや知子ちゃんに追いつかれはしないだろうって思ってましたが

私とっても失礼でした。

彼女は弱く見えてもやっぱり全日本女子の遺伝子を引いているのです。ちびっこの頃から血で血を争う戦いをちっこい目でずっと見て来た、その空気の中で滑って来た女なのです。こちらもパーフェクトなフリー。すばらしい出来でした。笑顔も良かった。


最終滑走 浅田さん
正直、SPの時点であっこさんと3点差。アクセルを2本入れるならあっこさんが優勝できるかもしれないって、彼女が滑る前から思ってました。
そして、彼女はトリプルアクセルを2本跳んで3位になりました。6人の中で一番フォーカスできてなかったのは彼女だった様な気がします。それでも、SPの貯金も有ります。全日本の浅田真央は本当に強い。弱っていても表彰台の3番は確保できるのです。彼女はだって、ほんの少女の頃から、この火花の中にいるのですから。


6人終わって思った事は

日本の女子は強い って事です。

陣容は薄くなり、来期枠を3つ取れるかどうか分かりません。このままの採点傾向だと3T-3Tで台が確保できるのは今期までです。

それでも

たとえめぼしいスターが居なくなろうとも


彼女たちの中には全日本を戦うという事を小さい頃から叩き込まれている、全日本女子の遺伝子があるのだなと。

強く、何ものにも負けず、立って、己を鼓舞し、突き進む為の鋼鉄のエンジンを備えた魂が

彼女達の日本女子の中には受け継がれてってるのだということが

それこそは財産なんだと凄く実感した次第です。


そして、男子はね


ここで初めて6人の強豪が揃いました。至上初めて3枠でも足りないって事になったのです。


大輔さんは「自分は枠取りに貢献した事が無い」って言いますが違います。


日本男子の遺伝子の中に、そういった強さを育てていったのが大輔さんです。

女子はうんと先に進んでいます。脈々と流れる血潮の中に彼女達は戦うノウハウを叩き込まれているのです。しかし元々絶対数の少ない男子にはそういう瞬間を戦い抜くという経験値が足りないのです。

今回、初めてそういう事態になりました。そして、これからも、そうなるべきなのです。

そうなって初めて


日本男子は強い


って言われるんだと思います。

中野ゆかりちゃんが「男子はどうかな?」って事前に言ってましたが、まさにその通り。彼女にも受け継がれている日本女子の遺伝子が

まだまだ甘いな

って言っているのだと思います。


大輔さんが育てた遺伝子を、今度は誰かがもっと強くしていくんでしょう



10年もしたら、平昌の後のオリンピックになる頃には 

日本男子は強い

ってみんなが納得する時代になっているかもしれませんね~