ちょびっとこわごわ書いていたので怒られなくてほっとしているかんだです。
こんばんわ。

えっと続きです。


では、スケーターの「華」というのは何でしょう。
大輔さんがスケーターに一番大事なものは?という日テレプラスの10クエスチョンで即答していた「華」

派手さ

では、実はないのではないかなって思います。


巧さ

でも、無いんじゃないかなって思います。

では、何か。


突き詰めれば

これは「色気」と表現されるものかと思われます。

べつにエロエロしてなくても、踊りがエロティックである必要もありません。

その踊りに、その滑りに、何か心をざわざわさせられるもの。
あるいは、かき立てられるもの。

情動を掻き立てられるもの。


これらをまとめて「色気」と表現してしまえば、それはやはりそうとしか言えないんじゃないかと思います。

別の言い方を変えれば「スター性」「オーラ」「カリスマ性」そういった
どうしても目が追ってしまうんだよ的な何か。


それを 持っているかどうか に尽きるかと思われます。


ただ、これ
正直


持って生まれたかどうか にかなり左右されちゃう部分です。
後から育つものではありません。

単なる色気なら大人になれば自然と身に付いていくのですが、
それにプラスされる何か。
大勢の人を引きつけて止まない何か。

それを あえて言うならば「華」持って生まれた才能。

これをいの一番に上げてしまう高橋大輔の隠れSっぷりに、10クエスチョンはかなり笑ってしまったのですが。


それに加えての「踊り心」

フィギュアスケートが音楽に合わせた踊りを披露する競技である時点で、これは大きな「華」の要因です。

踊り心の持ち主を判別するにはエキシビションのフィナーレの群舞を見れば一目瞭然。

身体の動かし方が自然でやたらと目を引く人と、ぎこちなくて覚束ない、あるいは同じ振りしかできない人。

この2種類しか存在しないと思います。

もちろん前者が持ってる人で、後者が持ってない人です。


面白いなって思うのは、流石にアイスダンサーは皆さんこれを持ってるんです。というか、多分にこれが無かったらできない種目なんだろうなって思います。アイスダンスですから。もしかしたら、もうすぐ持ってないアイスダンサーも出てくるかもしれませんがね。


だから、判別するのは主にシングルの選手です。(あ、ちなみにペアの選手で踊り心を持ってるなぁって毎度感心して見てたのはマーヴィン選手です)

もうね、一目瞭然というか、ぶっちゃけ現役で

大輔さんとあっこさん以上にこれが出来てる選手なんて
いないでしょうよ(^_^;)
この二人の「踊り心」の分量は、ちょっとシングル選手の枠を超えているかなって思います。


「華」と「踊り心」をふんだんに持ってる選手
我らが高橋大輔とはそういう ちょっと 持って生まれたものだけで人より三馬身くらい前にいっちゃえる選手です。


まさに最強。生まれもっての才能だけで、他人の目を引きつける。正直厄介でイラっとくる存在であること間違いなし。

その「華」と「踊り心」を持ってる選手をどうやって押さえるか。
持って生まれたものをどうやって克服するのか。


それが


振り付け


です。


良い振り付けを選手が求めるのは「踊り心」を補完する為です。


これには二つの道があるように思います。


一つは 凄く難しくてかっこの良いプログラムを作ってもらい、訓練して振り付けどおりに滑れる事。

もう一つは、そんなもの関係ないくらいに完璧にやりきって、点数を加点していく事。

この2種類、あるいは2種類の混合しかありません。

加点方式はエヴァンがバンクーバーでやったやつです。
大輔さんもプルシェンコさんも「華」の量でいえば、エヴァンを大きく上回る選手ですが、彼はそれらの印象をものともしない「完璧さ」でそれを押さえ込みました。
今のルールならば、それは可能なのです。
何しろ「華」を評価する軸はどんどん減っていたからです。バンクーバーの頃ならまだしも、現在は皆無に等しく
こちらの方法で突き詰めれば、レベル取りこぼしやジャンプが不安定な大輔さんや浅田さんを押さえ込むのは、たぶん難しくないでしょう。

しかし、安心は禁物。
この手の天才肌の人は時々ありえないくらい変な凄い演技をする事があります。

なので、できれば

疑似「華」を装備しておきたいところ。


この疑似「華」こそが振り付け師の技量です。


正直、ヨナさんとかPさんが踊れる選手かって言うと、私は否と応えます。エキシのフィナーレを見ていたらよっく分かります。
踊る訓練は凄くしていると思いますが、踊り心というものは訓練では身に付かないのです。あれは反復しているだけなので
「あ、今こうやったらかっこいいよね」的ひらめきと反射はないのです。

では、どうやって「踊れる様に見える」ようにするか。

それを振り付けてしまうのです。

Pさんのテイクファイブやヨナさんの先シーズン世界選手権のEX。瀟洒でかっこいい踊れるナンバーです。もしかしたら、エレジーや羽生さんのパリ散なんかもそうだと思います。

踊り心を魅せるのは 「間」 だと思います。
音楽に合わせるか、ビートに合わせるか、ではないのです。

いかに「外すか」が真骨頂なのです。

ぴったり合わせた踊りは「単なる振り付け」なので、けして「踊っている」事にはなりません。

あの日本のおかしい人のブルースは毎回毎回見る印象が違いました。それはですね、毎回外す部分が違うからです。「今日はこうかな」「こっちかな」「いや、こうかもね」と気分で外しているのです。だから、毎回違う演技です。
ブルースみたいな即興性の高い音楽を高橋大輔ちゅー選手は己の踊り心で「ブルースってこうっすね」って表現してみせたのです。

やたらと男ファンが増えたのも納得です。カッコ良かったからね~

しかし、あれだけレベル取りに高要求され、高難度ジャンプを跳ばねばならない昨今、そんな「気分」で「踊れる」選手が他に居るでしょうか。(反語)

では、他の選手はどうしたらいいのか。


振り付けてもらえばいいのです。

その外している「間」まで、きっちり寸分違わず作ってもらえばいいのです。

それをやってくれるのがローリー・ニコル、ジェフリー・バトル、人によってやってくれるのがデイビット・ウィルソンのこのお三方。

レベル取れる方法も知ってて、そこまでの親切設計な訳です。

そりゃ、人気も出ようかって感じです。

ただし、この3人の間はあくまでも彼らそれぞれの間です。振り付けられたものです。
だから、何度競技しても同じところで外すし、同じ演技になるのです。

それでも、今の採点ならば 十二分 に通用する訳です。

私はこれを「疑似華」と呼んでおります。


では、もう一勢力。振り付け師として人気の方々。
カメレンゴ氏とシェーリーン・ボーンさん。

このお二人はですね。

とにかく、かっこよく振り付けを作ってくれます。そのカッコ良さは上記3名をある意味圧倒出来ます。単にエンターテイメントとして見るならば、こちらの方がうんと見ていて楽しいのです。
それくらいに、この二人の「当たりプロ」は素晴らしいのです。(亀さんはたまに外すけどね( ̄ー ̄;)


しかし、勝てない。

なぜ、こんなにカッコ良く作ってるのにPCSに反映されねーんだよバーカ。と思いますが、PCSにその格好良さを評価する軸はもう無いのです。

なので「おお、カッコいい」で終わってしまうのですね、トホホ。

おまけに「TR」とかいうよく分からない項目をどうやったら上がるのか、どうにも上記3名には遠く及んでいない理解度であるみたいです。

そんな、内輪でしか分からない基準、ほんとに世界基準なのか?と思いますけどね。
ルール上そうなってるので、仕方ないです。


さらにです。

この二人のプログラムには実はおおいなる欠点があります。


踊れる選手が踊る時には素晴らしいです。

例えば、大輔さんのマンボ、ブルース。アッコさんのWSSやO。かなこちゃんのタンゴ。

カッコいい、痺れる、美しい、ブラボーでワンダホー。

しかし、いったん踊れない選手を振り付けるともう悲劇です。
何故なら彼らはアイスダンサー。

踊りに必要な「間」が作れない選手が居る事など想像の範囲外なのです。なので、そういう親切設計は皆無です。

振り付けは難解で難しく、レベルを取る為に妥協はありません。こう踊った方がカッコいいっすね、はいはいです。

なので、彼らの振り付けを踊れない選手が踊るとですね
振り付けをなぞるだけになってしまうのです。
さらに、エレメンツも揃えられなくなり、自爆モードに突入という恐ろしい連鎖に陥ります。


私がなんでこのエントリーをアンスクエア・ダンスで書こうかと思ったかというその肝がここにあります。

あれは、確かにたぶんカッコいい振り付けです。
軽妙洒脱ってのはこういうのを言うんだねというか、ジャズの本領発揮、シェイの大得意分野です。

難しい変拍子です。スケオタはリンクサイドで手拍子を合わせられるかが大変話題になりました。

しかしですね、

これ

拍子に合わせて踊ってはいかんのですよ(;´Д`)ノジャズだから。

抜かないと。

どっかで、できればライブ感をだすならあちこちで。毎回違うところで。

今日はここ、明日はあそこ、来週はあっちという具合に

音と拍子にぴったりと小塚氏はまじめな演技者なのできっちりと滑ってしまうのですが

抜かないといかんのですよ。シェーの振り付けはそれがないと駄目なのですよ。


この前、アメリカのアーロンくんの新しいSPを見ました。

マンボさんでした。特に前半の音楽は大輔さんとほぼ同じ。

日本のスケオタにとってこれは大輔さんの曲ですが、海外ではどうだか分かりません。
マンボなんか他の選手もやってるし、別に真似したわけじゃない。

そうでしょう。そうでしょう。

でもね、これを見てどんだけ大輔さんのマンボが難しくて凄くてカッコ良かったか思い知りました。

毎回ね、ちょっとずつ違うんですよね。腕の上げるタイミングやほんのちょっとした仕草がね。でもね、外しちゃ駄目な所は外してないんですよね。

このさじ加減が「踊り心」なんですよ。

わかります?ねえ、わかります?


亀さん作のアーロンくんのマンボはですね、とっても難しいのです。たぶんとってもカッコいいお洒落なプログラムなのです。もうね、腕の振りとか足の持っていき方とかだいぶ大輔さんの研究してるんだろうなって思いますがね、それを差し引いたって

こんな難しい振り付けで「間」なんかアーロンくんに取れる訳ねえべ。(;°皿°)

亀さん鬼やね。。。って思いました。



でもね、私はアーロンくんのその心意気を買いたいのです。

もはや、点を取る為なら「華」など作ってもらえばいい時代。

完璧を目指すならそれすら要らない時代。

ましてや、彼には綺麗なクワド2種という切り札だってあります。

何もわざわざ難しい事しなくてもいいんです。今年はオリンピックイヤー。
自分の苦手なところを前面にもってこなくても

ええやん

と思うでしょう。

でも彼はそれを良しとしなかった。
去年の表現力がないとか振り付けがないとかジャンプだけとかの評価が彼を酷く傷つけたのは想像するしかありませんが

それでも、彼は自分のレベルを上げる為にそこを目指した。その意気やよしです。
カッコいいです。

応援しちゃいますよ。(でもスケアメとN杯はゴメンネ)


小塚さんもです。
めっちゃ難しいのは分かっていると思います。シェーの振り付けが諸刃の剣なのも大輔さんとあっこさんをよく知ってる彼は分かっていると思います。
でも、そこを超えたい。
そんな彼の心意気は素晴らしいです。頑張って欲しいです。
すっごい滑り込んで、あの難しい曲に自分の「間」を見つけて欲しいです。
観客の手拍子とかどうでもいいです。ジャズです。ライブです。
アナタの楽しみ方で滑ってみて欲しいです。シェーは、それを願ってこれを作った筈です。


どうして、選手は新しいプログラムを作るのか

どうして、選手は難しい事を選ぶのか。


それは、フィギュアスケートという競技が

スポーツで
順位が決まって
一位になれるのはたった一人しか居ない

競技である

上に

誰かの心を打ち
全てを掴み

心の中に深く刻み込める競技でもあるからだと思います。


完璧を目指すのもいいし

勝負に徹するのもいい

全てを望んでも、勿論いいのです


プログラムはその手助けをする為の道具です。
その選手の意思が込められた、
メッセージだと思います。

オリンピックほど色んな人の思惑が交差する競技会はありません。
国を挙げての一大イベントです。

色々な選手が色々なコーチや連盟の人や関係者とタッグを組んで
我らが高橋大輔の前に立ちはだかるでしょう。


私は大輔さんだけを応援しているしょーもない人間ですが

彼が全てを手に入れて笑う顔が見たいのです。
そして、私は彼にはそれが出来ると信じています。

全ての

ありとあらゆる思惑を
作戦を
事情を

超えて


総取りしちゃってほしいのです。


持って生まれた才能に
不断の努力を重ねて
周囲の助けと
出来れば私らの応援というささやかな力を加えた

天才には


努力など

全部無駄なのだと見せつけて欲しいのです

持って生まれたものだけが勝つのだと
教えて欲しい

天才ってのには
それくらい価値があるのだと

世の中には

超えられない壁があるのだと

どんな努力も
準備も

太刀打ち出来ない

圧倒的な力があるのだと

そういう人間が居るのだと

私に見せつけて欲しい。世界中に見せつけて欲しい。


華があって踊れて完璧で

そうではないと勝てないのだと

フィギュアスケートはその全てなのだと
もう一回

宣言してほしいなって思います。






最後塩ってるyo (T▽T;)