染付の皿2枚。薪の窯と電気窯で焼いたものを比較してみると。 | 国立けんぼう窯のブログ

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 この2枚の磁器の皿。同じ粘土で作り、同じ技法で絵付けして、同じ釉薬がかけられています。
 しかし、よく見ると、表面の釉薬の滑らかさと、藍色の絵の具の発色が違うことがお分かりいただけると思います。
 写真でその違いが判るかどうか心配でしたが、ご覧の通りです。
 左のが薪で焼いたもの、右が電気窯で焼いたものです。
 昔、磁器を焼いている有田の窯元で、磁器をわざわざ手間のかかる薪の窯で焼いているのを見たことがあります。
 その時は、わざわざこの白い焼き物を、灰が降りかかる薪の窯で焼く必要はないのではと思っていたのですが、今実際に、薪で焼いたものと、電気がまで焼いたものを比較すると明らかに違うことが理解できます。
 有田焼の高級品は、ただ伝統を守るためだけでなく、美しい磁器を焼くために、いまだに手間をかけて薪の窯で焼き続けているのですね。
 当然ながら、陶器も釉薬をかけて薪の窯で焼いた場合、大方の釉薬は滑らかに仕上がります。