ヨーロッパ式の蹴ロクロです。こんなロ クロ見たことありますか。 | 国立けんぼう窯のブログ

国立けんぼう窯のブログ

東京都国立市中1-9-4


 おそらく、中近東からヨーロッパ全土に伝わったであろう、この特殊な形状のロクロ。
 20年ほど昔、スペインのグラナダ郊外の窯元を訪ねたときに、職人さんが使っていたのを思い出します。その時は座らずに立ち上がった状態で使っていました。
 先日、テレビでトルコのカッパドキア近郊の工房の様子が紹介された時には、まさにこのロクロを使って、伝統的な細長いツボを作っていました。
 日本でも現在、まだ一部の産地でこのような蹴ろくろが使われているところがありますが、産業としての生産効率が悪いことから、ほとんど便利な電気ロクロへと変わってしまいました。
 トルコの工房で蹴ロクロを使いながらテレビのインタビューを受けていた職人さんが、この蹴ロクロの職人が少なくなって伝統が途絶えそうだと嘆いていました。まさに日本と同じ状況です。
 確かにモーターがついている電動ロクロですら、自由に使いこなせるまでには大変な努力が必要なのに、自分の脚力で回転させながらということになるわけですから、技術を習得するのは、一段と難しくなりますね。
 それにしてもこのヨーロッパ式の蹴ロクロは扱いやすく、一度足で回転させると惰性で約5分は回り続ける優れものです。