<ヒューマン・コメディー>
監督:イ・ソックン
出演:ファン・ジョンミン、オム・ジョンファ
かなり良いですわよ。これ。
大学を出ても、全てが上手くいく訳じゃないと悩む『マイブラックミニドレス 』。
少し大人になっても、悩みは尽きない『シングルス 』。
そして。
結婚をして子供が生まれても悩みは続き。けれど決して、それが夢の終わりと言う訳ではないと。そう教えてくれるのが、この作品でございます。
役名も同じファン・ジョンミンさん。
しがない弁護士が友人に頼まれ、市長候補になるストーリーなのですが。
「子供をたくさん産め!」と演説した別の市長候補者に対する、ジョンミンさんの演説が本当に素晴らしいのですよ!
まさにタイムリー。どこぞの校長に聞かせたいわ。
産めとばかり言うのではなく、先ずは実情を知るべき。働く夫婦が、どれ程苦労しているのかを、しっかりと認識すべきだと。
誠にその通りでございますもんね。
「たくさん産め」だの「2人以上産め」だの。。。子供を産もうとするのは人間の本能だし。人口が増えた方が国が栄えるのだってみんな知っているのよ。そんな事は。
だから。
観点が違うのさ。「産め」じゃなくて。「産みたい人が安心して産める世の中」が大切なんだから。
そして。
そういう世の中を作る事が出来たら、自然に人口も増えるでしょ。そんな簡単な事も分からないのかね。オジサン達は。日韓問わず。しょーもない。
現実社会では映画のように、子供を産んでから自分の夢を叶えられる(又は叶えようとする)人はほんの一部だとしても。
少なくとも親達が、大人達が、人生を楽しんでいるところを子供達に見せることは、本当に大切な事なんだろうなと。改めて思いましたわ。
そして。
「奥さんを管理できない男が、市民を管理などできるのか」と言われた時、「家族も市民も管理するものではなく、共に希望を探していく存在なんだ」と。ジョンミンさんが言うのですよ。
支配や管理ではなく、共に手を取り合って生きていく。。。当たり前のようで、実は簡単ではないよね。家族でも。社会でも。
一方だけの努力では、決して成り立たない事ですから。
ラスト、ジョンミンさんがステージを見つめる姿を見て。。。涙がポロリと。
お互いを尊重し合える夫婦って、本当に美しいですね。それだけは間違いないと。心から思いましたわ。