<ヒューマン・LGBT>
監督:キム・デスン
出演:イ・ビョンホン、ヨ・ヒョンス
アメリカ在住の友人と会った時、彼女が連れてきた後輩ちゃんがゲイの男子でして。
私の数倍女子力の高い、とても可愛い子でしたけども。
そう言えば最近この映画を観たなって思い出したの。
不思議な感覚の、切ないラブストーリーよ。
生まれ変わっても愛し合おうと誓った男女。。。両方が同性に生まれ変わってしまったら?ってお話なんだけど。
その後輩ちゃんも。NY在住の韓国人で。
あっちに越して2年くらいはカミングアウト出来なかったんだって。
びっくりしちゃった。
だって、私がNYに住んでたのってだいぶ前だけど、アパートの隣の子も学校の担任も友達の弟もみんなゲイだったよ。
それが何か?みたいな環境だったんだもん。
でもさ。彼は韓国から来てるから。怖かったんだね。
ゲイを受け入れない社会。韓国は日本の比じゃないらしいから。
日本だってテレビでは「おネェ」とかってタレントさんがたくさん出てるけど、じゃぁ、一般の会社で同性愛をカミングアウト出来るか?って言ったら。。。難しいでしょ。
韓国なら尚更ですわ。
まぁでもそんな彼も、今では恋人も友達もいて。すっかり生活の場を見つけているみたいです。良かったね。
でも。
「韓国には住めない」って言ってた。ママにも言えてないんだって。
家族に本当のことを言えなかったり、選んでその場所に住むのではなく、そこを選らばざるを得ないというのが少しね。気になるよね。
自国が嫌いな訳じゃないのに自国に住めない(住み難い)って。切ないじゃないですか。
この映画でも、運命のいたずらで、愛し合う男女が男同士に生まれ変わってしまうんだわ。
社会から疎外され。やっぱり生きてはいけないのね。悲しい。
人間ってバカよね。自分とちょっと違う考えだと直ぐに疎外したがる。。。だから戦争が無くならないんだよ。チンチャ。
自分はどれだけ「みんなと同じ」だと思ってるんだろうね?
行動も思考も、どれだけ「みんなと同じ」だと安心出来るんだろうね?
アホか。
同じ人間なんてどこにいるのよ。幻想だわ。
今回の飲み会で一番盛り上がった言葉。
「全てを理解しなくちゃいけないと思うから反発する。理解は出来なくてもいい。ただ、お互いに受け入れる努力はしていくべき」
私の昔からの信条です。
一番近い存在の家族やパートナーだって理解出来ないことがたくさんあるのに、どうして友人や、ましてや異文化で育った人間の全てが理解出来きようか。
でもさ。
人として普遍なのは、生まれたからにはなんだか知らんが生きていかねばならぬ、と言うこと。
そして、どうせ生きるなら、なるべく平和に、楽しく生きたいと願うこと。
美味しいものを食べ、友人と笑い合い、誰かを愛し。
どんなことでも良いんだけど。
あら、生きてるのも悪くないのね、って、思えるように。
常識や価値観なんてものは、場所や環境で変わるし。時代によって全く逆になってしまう事だってたくさんある。
そんなあやふやなモノに支配され他人を不幸に追い込んだり。ましてや自分を不幸に陥れるなんて。
なんと愚かで。。。切ないことでしょうかね。
この映画を観て。愛すべき友人達と話して。
益々そう思いましたわ。