佐渡日記 | ちよに咲く華

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仙台の大道芸人『華千代』の日記

佐渡に着いた夜は両津港の近くで佐渡伝承芸能のM田さんにお会いして、深いお話をお聞きする事ができました。
会話の中で虚実皮膜という言葉が頻繁に出てきて、先日見た角兵衛獅子もそういった意味では虚実皮膜だったなぁと感じました。
M田さんとは今後も色々な形でお世話になると思うので(そうでありたい)たくさん知識をつけて会話について行けるようにしないとです。
M田さんありがとうございました。
そしてこれからも宜しくお願いします。



次の日(24日)
佐渡の南の方へ下って、羽茂という集落へ行きました。
そこに大滝楽舍といって、廃校になった小学校を改造して、ものづくり体験や資料展示、カフェなど様々なアート、表現で使われている施設があり、私もお邪魔してきました。
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昔の人たちは無い物は自分で作って、工夫して、助け合って、そんな生活をしている様子が写真で紹介されてました。
明治や昭和初期の写真を見ながら運営者である葛原さんは「今の人たちは、この頃の人たちの事を不幸だって言うけど、そんなな事はなくて、逆に幸せだったじゃろうなぁ」とつぶやいておりました。



葛原さんと一緒にものづくり。仙人のような方です。
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海に落ちていた流木で私の看板を作りました。
出来上がったものは私のショーでお見せしますね。



ものづくりをする事によって色々な事に気づきました。
大人になった今、自分が感じるままにものを作る事が難しくなっていたのです。
絵を書く事、芸事に関してもそうです。
人の目を気にして、どこかで見たことあるような、あたかも自分が芸術家を気取ったかのような、そんなイケてない作品になってしまったり。

子供の頃は自分の感性のままにたくさんのものが作れていたし、歌も作れたし、ヘンテコダンスも作れたし。
幼稚園の頃は牛乳パックで家を作るのが得意で、先生に褒められていたのを思い出しました。

今の自分は環境が作り上げたものでもあって、生まれながらの本当の自分、着飾らない自分を見つけ出せたらきっとモノづくりも芸も、魂の入った自分だけの作品として残って行くのだと、葛原さんはおっしゃっていました。


大滝楽舍にはミュージシャンの男の子も来てました。
音楽界ではかなり成功しているようしたが、このままではいいモノが作れない、と感じたのか佐渡に1年ほど住もうとフラッと来たそうです。

葛原さんに、「2人とも佐渡にたまたま来たと思うてるじゃろうが、導かれてきたんじゃよ」と仙人口調で言われて、最初はポカ~ンてなってましたが、色々体験する事によって何となくそんな気がしてきました(笑)



佐渡では、地位も名誉も財産もあんまり関係ないなと感じました。
家賃が5000円だったり、イワシがたくさん入ってがこんな値段だったり
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財産があっても無くてもあんまり意味がないな、と。


そして佐渡の人たちは人や伝統文化を大切にしています。

羽茂にある「ちょぼくり」では、島外から遊びに来た方の送別会があり、私も参加させて頂きました。

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佐渡おけさの民謡を唄と三味線で演奏。
普通のおじいさんだと思っていた方が民謡で賞を取っていたり、酒屋さんであるTさんが、三味線を弾いたり。
ちなみにTさんは太鼓の凄い方です。
日常が芸のパラダイスですね。

私も一発芸しました。
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人との繋がりが楽しくて仕方がない。



帰り道、ホタルを見ました。

環境も文化も人も、大切に大切にしていきたい。
心から感じました。




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