Vol.35 2012年の本屋大賞作品 「舟を編む」 | ビデオくんのひとりごと

Vol.35 2012年の本屋大賞作品 「舟を編む」

本屋大賞とは、「全国書店が選んだ一番売りたい!本」としている賞のことです。
昨今、本が売れない時代とされている時代に書店や出版社、本好きの現場から良い本をアピールしていくとされた経緯があります。

興味を持って読み始めたのですが、内容は辞書の編纂の話。
「うわっ、とっつきにくいな」というのが、最初の感想でした。

しかし、読み進めていく内に、胸を打たれるシーンがいくつもありました。

・万人が納得出来、かつ正確に言葉を言葉で説明する難しさ。
・どんな小さなことでも、徹底的に追いつめていく編纂者達の姿。
・特殊な現場だけにそれぞれの人間性が浮きでて、葛藤が見え隠れする場面。


私自身、半年前に「ものづくり」をしようと株式会社ビデオに入社してきたばかりの新入社員でもあります。他人事とは思えず、物語の中に自分を見ている気さえしてしまいました。(それは、主に怒られているシーンですが・・・笑)

物語の終盤、様々な困難と、それに伴う多くの苦しみと喜びを経て辞書という船は編まれていきます。

とても薄っぺらい紙なのに、あんなに分厚くなる辞書。そこには、本当に長い年月と労力が詰まっているのだなと感じる事が出来ました。

そんな辞書が完成した時の喜びは、「ものづくり」に従事している人達にとってはとても実感できるものがあると思います。

私も、その実感をより深いものに出来るように映像の一つ一つのカットを大事にしながら魅力的な舟を編むことが出来たらなと、勇気付けてくれるようでした。

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