私ね、ひととお話しするの、苦手なんです。
子供の頃からずっと。
今でも少し、そういうのが残っています。
ずいぶんマシにはなってきているけれど
きっとそれは、子供の頃に
「私は、自分の話をしてはいけない」
と決めたから。
私の両親は、私が小学校2年生のときに離婚したのだけれど
当時、片親っていうのは珍しくてね。
友達とおしゃべりをしているときに
「みなみちゃんのお父さんは?」って聞かれると
「うちはお父さんがいない」と答えるのね。すると
「ごめんね、変なこと聞いたね」って謝られてしまう。
友達に、申し訳ないことをしたという気持ちにさせてしまうの。
だから、私が自分のことを話さなければ
友達に謝らせることもなくなるわけで。
友達の顔色を見ながら
私が話すのは最低限のことだけで
私の口から出るひとことひとことに気をつけながら…
閉じていった。
大人になってからは
ずいぶんと言いたいことが言えるようにはなってきたけれど
今思えばそれは、自分が傷つかないようにするための
防御の言葉だったんだと思う。
自分の気持ちを出すということについては、
できていなかったのだと思う。
マスターコースを受けている頃から
吐き出せなかった気持ちを吐けるように練習していたら
なんだかいろいろなことが、まあいっかと思えるようになったの。
話すのって、気持ちを出すのって、大事だなあと思ったの。
だからね、ひとには言えない何かがあるのなら
聞いてくれる人がいないと思うのなら
私に話してみても、いいかもよ。
話すのが苦手なら、話さなくてもいいから。
私はそばにいるから。