■痛快で胸痛い社会的問題意識呼び起こすケイパー映画! | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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●イム・シワン君とチン・グさんの魅力!


映画紹介が連続しますが、今日は傑作の韓国映画。観てからしばらく経っていますが、イム・シワン君とチン・グさんがメチャクチャ格好よくて今年上半期の“面白かった映画”ベストだなあと思った映画『ワンライン(원라인)』(ヤン・ギョンモ監督)です。ヾ(≧∇≦)〃♪


アイドルグループ「ZE:A」の一員であるシワン君は、以前『兄への思い(오빠생각)』(イ・ハン監督)で6・25戦争による戦災孤児たちに歌を教える軍人役でとてもよい演技を見せてくれたことを紹介しましたが、つい数日前に観た『不汗党:悪いやつらの世』でもソル・ギョングさんと痛快演技を競っていたのを観て、慌てて紹介し忘れていたこちら、『ワンライン』を記憶の中から引っ張り出してきたものです。


いやあ、これを紹介していなかったのはまずかったですね。今見たら上映時間が2時間10分となっていますが、体感としてわずか30分くらいに感じられるほどの没入度と面白さでした。お勧めです!♪ヽ(´▽`)/


いわゆる概観としては、キャラ個性豊かなプロ仲間同士が集まって犯罪を仕上げるという楽しい「ケイパームービー」(金庫破り映画)の一種ではあるのですが、その根底にある韓国社会の現状というものが実にリアルで、決して娯楽作品としては終わらないと思いました。痛快に楽しみながらも、いっぽうではとても胸が痛くなるし、いろいろなことを真面目に考えさせられます。主人公に対するこちらの同情してしまう思い、応援したくなる思いは、ドラマと関係なく現実の社会的な感情として後々まで残りました。



●今年上半期一の傑作としてお勧め!


シワン君演じる主人公の大学生ミンジェは、銀行から金を借りることができずに人生が行き詰っている人々の「信用」を、あらゆる手を尽くしてでっち上げては、銀行から低利のお金を借りてあげ、その代わりに手数料を受け取るという「作業借り入れ」の世界に足を踏み込むわけですが、そのようにならざるを得なかった本人の胸痛い事情も劇中で明らかになっていきます。


ちょっと日本のドラマ『半沢直樹』の世界にも近いですが、銀行からお金を借りられなければサラ金に手を出して不幸のどん底への道を進むしかない人たちを「手助け」しながらも、詐欺は詐欺であり、プロ詐欺グループとしてその華麗な手法と抜群のチームプレイを組み上げていく犯罪エンターテインメント作品として、何度も大笑いしたり、痛快な思いを味わいながら、同時に本当の悪とは何であるのかについて悩みながら胸が痛かったです。


最終的には重要なメッセージを伝えてくれていると思いますが、それにしてもこのような悲劇を根底からなくす道がないだろうか、と、観終わった後には、子供たちがこれから暮らしていく社会の未来を真剣に祈らざるを得ませんでしたよね。とりあえず観終わると、銀行業というものに対しても批判的になるかもしれません。(´ぅ_ ;`)


イム・シワン君とチン・グさんの魅力的演技、パク・ピョンウンさんの怖い悪役演技、イ・ドンフィさんの間抜けな爆笑演技、仲間であるキム・ソニョンさん、パク・チョンファンさん、JYJユチョン君の弟パク・ユファン君の愛すべき演技、刑事のアン・セハさんの健気な演技、そのすべてが合わさって最高の「ケイパームービー」ができあがっていることは間違いありません。今年上半期の傑作としてお勧めです!♪ヽ(´▽`)/



【あらすじ】 平凡だった大学生ミンジェ(イム・シワン)は、銀行から金を借りることができない庶民の願いに応えて、完璧な詐欺手法で銀行の金を引き出してあげる、別名“作業貸し出し”界の伝説の存在である「チャン課長」と出会って、その業界の金星となる。絶妙の相性を誇りながら、金という金は全部掻き集める5人の新種詐欺団!しかし、決して互いを信じることはできない詐欺師同士が徐々に別の内心を露にしていく…。





















映画『ワンライン(원라인)』(ヤン・ギョンモ監督)予告編。

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