■心も体も癒される「大宝名家」の薬草ご飯！♪ヽ(´▽｀)/

「食薬同源」を謳う“薬草ご飯専門店”「大宝名家」。写真はご主人のクォン・イノク代表です。

●男性と女性で違うご飯が出てくるお店

この間は、韓食ビュッフェをご紹介しましたが、韓国が誇る「韓定食」の奥の深さが体験できる、とってもお気に入りのお店があります。我が家から駅一つ分くらい離れた所にある“薬草ご飯専門店”「大宝名家（대보명가）」です。韓国のことわざ、「ご飯が補薬だ（밥이 보약이다）」をそのまま追求したようなお店ですよ！(*´ヮ`)/

場所は「4・19記念公園」のすぐ前にあるのですが、行き方は、4号線の水踰駅からバスかタクシーに乗らなければなりません。それなのに、テレビやマスコミに何度も紹介されながら、全国的に有名なお店となって、日々、釜山などからもわざわざ訪ねてくるそうです。そのため、お店はとっても広いのに、週末は数日前から予約しないといけません。

キャッチフレーズは「食薬同源」。いわゆる漢方の薬草を使った料理であり、店に入るや否や、たくさんの薬草が並んでいて、漢方薬のにおいがすぐに感じられます。食べながら病気を治し、健康になるということを目指しているため、たとえば、石釜ご飯が出てきても、男性のご飯と女性のご飯の色がぜんぜん違います。男性には元気を起こす薬剤が入り、女性には血行をよくする薬剤が入っているからなのだそうです。

それ以外にも、韓国の大豆を2年以上発酵させた味噌と醤油を使い、エゴマから油を取り、山野草（ボウフウ、トウキ、ウコギ、タンポポ、ツキミソウ、ツル人参、キキョウ、山桑の葉、オタカラコウ、シラヤマギクなど）と、動物性たんぱく質を分解してくれる山査子の実、梅、桑の実、植物性たんぱく質を分解してくれる野生のセリ、クズ、タンポポ、コンドゥレナムルなどの酵素を天然調味料として使用した健康ご飯だということです。

何よりそこに数多く含まれた薬草の香ばしさが本当に美味しいんですね。これもまた、虜になってしまうような味わいなのでした。

●「感動は不合理の中にこそあります」

主人のクォン・イノク代表（57）は、忠清北道の堤川（チェチョン）がご出身で、そこにも支店を経営されていますが、堤川のご実家の畑で直接、薬草を育てながら、それを自ら干したり、発酵させたり、すべて管理して、手作りですべての薬草材料を揃えられています。

クォン・イノクさんよれば、ご自身が圓光大学の漢方健康学科で漢方と食について専攻されながらも、万が一にもこの店の料理を食べて、薬草が体が合わずに悪くなった、などというようなことがないように、材料選択、管理、調理まで全部責任を持って、直接やっているのだとおっしゃっていました。

たいへんなのにどうしてそこまでするのかと尋ねたら、「感動は不合理の中にこそありますよ」とおっしゃっていましたが、合理性やお金儲けではなく、本当に人の体のための食事を追及しているんだなあ、ということがよくよく分かりました。いつもやることが多くて、職員と共に体はとってもたいへんだけれど、心は喜びでいっぱいなのだそうです。

ということで、今日いただいたのは、堤川で栽培した薬草が豊富に入った「堤川薬草お膳」（15000ウォン/1人前）ですね。薬草石釜ご飯を中心として、キノコ雑菜、豚肉の炭火コチュジャン焼き、山野草の漬物、季節のジョンなどがずらっと並びます。デザートは少し発酵した、美味しいビート五味子茶です。心も癒される薬ご飯。お勧めです！♪ヽ(´▽｀)/