韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国・韓国語の見つめ方を伝授します。


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石田先生(右)は、アリランの真髄を求め、イム・ドンチャン先生と「忘れられない出会い」をする。(MBC)


●ドキュメンタリー「柏高等学校のアリラン」


札幌への里帰りから戻った翌日、何気なくついていた韓国のテレビから、また懐かしい日本語が聞こえてきました。「MBCドキュメンタリースペシャル」、副題は「柏高等学校のアリラン」。


日本の千葉県、柏市立柏高等学校吹奏楽部の263人とそれを指導してこられた石田修一先生の、「アリラン」演奏にかける情熱、その教育と規律、学校文化を紹介する番組でした。心を打たれました。韓国社会の反響も大きく、放送直後から多くのメディアがこぞってその感動を紹介していました。


石田先生と同校の吹奏楽部は、実は数年前にも韓国SBSのドキュメンタリー番組で紹介されたことを覚えています。しかし、それは「アリラン」という民謡自体に関する特集の一部であり、今回のように1時間番組をまるまる主役として密着取材されて特集されるのは特別なことです。


なぜこの時に、という理由は、番組の一番最後に出てきました。石田先生は来年3月に退職を控えていらっしゃるということ。今回、番組の最後のハイライトは、石田先生ご自身が30年前につくったという「柏市小中高等学校音楽フェスティバル」の第30回公演での演奏でしたが、これが先生の最後の公演ともなるということでした。


そのフィナーレは、壮大な「アリラン」の演奏。涙が流れました。


石田先生は16年前、韓国旅行で偶然、「アリラン」の演奏を聴かれ、その場で飲んでいたマッコリの酔いが一瞬でさめて、「魂をつかまれるような」経験をしたということ。その後、自らソウルに足しげく通いながら、韓国の伝統衣装や国楽楽器を揃えて、それをもとに生徒たちに演奏させるようになったということです。



●番組が「充分に『神業』に近い」と紹介


一口に演奏といいますが、実際、柏高校のアリランは壮大なパフォーマンスであり、歌と演奏に加えて、美しい韓服を揃えて舞う華麗な扇の舞や、頭を下げてサンモという帽子についた紐を回す独特の演技など、全体が編隊を変えながら一つの体験を客席にもたらしていくものです。見る観客の目には自然に光るものが溢れます。


先生は16年の歳月の中で、それらを自らの私費と時間をつぎ込みながら一からつくり上げていったということ。たとえば最初の韓服は、1着1万円の安価なものをソウルで買ってきて、日本でその糸を全部ほどいて、まったく同じく自分たちで人数分を手作りしたのだそうです。楽器や扇などの小道具も、すべて韓国から先生が直接買ってきたものばかり。それらを子供たちはまさに宝物のように大切に扱います。


それは、知る人皆から憧れられる、柏高切っての“名物”であり、全校生徒の3分の1が入る吹奏楽団で、入る時にもオーディション、憧れの韓服を着るためにも長鼓演奏のオーディションを通過しなければならないというものであるため、それを着る生徒らの自負心はたいへんなものなのです。


番組の中では、彼らが毎日欠かさず4時間、汗を流しながら自主練習をしている姿と共に、その規律のすばらしさ、指導の厳しさ、先生の唱える精神の美しさ、それに対する生徒たちの真摯な姿勢が映し出され、ナレーションは「その名声は簡単に得られたものではない」としながら、「その忍耐力は充分に『神業』というものに近い」とまで紹介されていました。


同校吹奏楽部は、この「アリラン」を中心に、全日本吹奏楽コンクールで何度も金賞を受賞、日本管楽合奏コンテストで最優秀グランプリを獲得したり、世界吹奏楽大会でも見事に1位を獲得したりという輝かしい歴史があるそうです。



●韓国に「アリラン」の真髄を求めて


さて、いよいよ番組の最後では、石田先生が全羅北道完州郡にある「イム・ドンチャン風流学校」を訪ねます。韓国の伝統思想を音楽によって追求するというその芸術学校で、石田先生は、校長のイム・ドンチャン先生から直接、「アリラン」の真髄を伝授されるのです。


まず石田先生は自らの思いを語ります。「アリランの中には悲しい心、楽しい心、恨、そして憧れ、懐かしさなど、たくさんの要素が入っています」。それを聞き、生徒らの演奏の映像を見ながら、イム・ドンチャン先生も、それを成し遂げた苦労に感動し、自らさまざまな方法を通して、韓国の「アリラン」が持つ音色を石田先生に体得させようと努力します。


というのは、石田先生はあくまでも韓国の「アリラン」の世界に魅せられて、楽器から歌、衣装、踊りまでとことん韓国式を追求しているわけですが、いっぽうで先生が使っている楽譜は、アメリカの音楽家が西洋楽器のために編曲した西洋版の「アリラン」であり、管弦楽としてそれがすばらしいのですが、そこには先生自身も気づかない、韓国のアリランとの距離があるためです。


それを知りたいという石田先生の求めに応じて、ドンチャン先生は、図を描き、ピアノを演奏し、実際の歌唱を聞かせ、そして共に体を動かして皆で踊ることまでして、その「アリラン」のリズム、音色、「興」の世界を伝えようとします。「アリラン」のメロディーが持つ「アーリッラアアン、アーリッラアアン」という独特のリズムをイナズマのような図で示しながら、そこに宿る「生動感」が人の心に飛び込んでいってそれをつかまえるのだ、という世界を解説します。


最終的に石田先生が、とうとうそれを体得したと感じたイム・ドンチャン先生は、大喜びで拍手を送り、握手を求め、最後は互いを抱きしめ合いながら互いに対する感謝を表します。


石田先生は、「アリランの、韓国の音楽としてのその奥深さに気づかされた」といい、ドンチャン先生は、「アリランは自分をのぞいて見る鏡だ。人は自分の感嘆をそこに映し、自分を見るということが最高のヒーリングになるんだ」と、石井先生が捉えたアリランの魅力について語ります。



●国と文化超えた美しい成就に心からの讃辞


石田先生は、番組の最後にしみじみと告げます。「つらい時とか嬉しい時、悲しい時、アリランが一緒にいてくれた。アリランは明日への希望であり、壮大な愛です。アリランは、無限大です」


柏高等学校吹奏楽部の、石田先生が指導する最後の公演を映しながら、ナレーションはアリランの歌詞をもとに、このように結びます。「私の前の峠を、越えてまた越えることが、美しい人生なのだということを、石田先生はご存知のようです」


それは石田先生自身の情熱と共に、その指導を受けた日本の高校生たちが、自らの願いに向けて闘い乗り越える、その美しい世界に対する、国と文化を超えた心からの讃辞だといえるでしょう。




我孫子市の小学校でアリラン公演をする柏市立柏高等学校吹奏楽部。


本番さながらの厳しい練習。


美しい扇の舞。


生徒たちの表情はしかし、喜びと誇りに溢れている。


上級生の厳しい審査で、韓服を着るメンバーが選ばれる。この後おのずと喜悲の涙が交叉する。


夜まで毎日4時間、欠かさず練習は繰り返される。


自らが越えてきた努力の道を明かす石田修一先生。


ソウルの店で自ら扇を選ぶ先生。


「イム・ドンチャン風流学校」を訪ねて韓国のオリジナルのアリランを伝授される。


共に歌いながら韓国アリランの心を学ぶ。


感動と感謝の握手。


「友達」の絆を結ぶ二人。


韓国で学んだアリランの真の魅力について語る石田先生。


番組の最後のハイライト「柏市小中高等学校音楽フェスティバル」の第30回公演。


客席まですべてが舞台となって一糸乱れぬパフォーマンスが繰り広げられる。


メインでアリランを歌う生徒。


先生の最後の公演としての感慨に溢れた指揮。








すばらしい柏高等学校吹奏楽部のアリラン。



2010年に放送されたSBSのドキュメンタリー。


☆。.:*:・'☆'・:*:.。.:*:・'゜☆。.:*・'゜☆
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