リウマチの痛みは心と環境が影響する | 痛みとリウマチ専門鍼灸院のブログ 

痛みとリウマチ専門鍼灸院のブログ 

薬だけに頼らずにリウマチ自然治療 痛みを鍼灸治療で改善を目指す鍼灸治療院です。
リウマチ克服への自己治癒能力アップ。
リウマチと痛みを自然療法と東洋医学・鍼灸治療で克服

JR新大阪駅から2駅 御堂筋線江坂駅から徒歩2分 

リウマチ治療には、メトトレキサート(リウマトレックス)や生物学的製剤も重要ですが、
「痛みの理解」と「心理面」も重要な要素だと考えています。


m1


抗リウマチ薬は、身体へのアプローチです。

突然変異した滑膜が、自分の体の関節を溶かすことを抑える薬です。
人間は肉体面だけではなく、心、感情というのがあるのが人間です。

CRPやMMP-3などの血液検査のように、
身体の現象だけを考えて、治療してもよくなりません。



痛みは、情動(感情)も影響すると前回、ここで書きました。
では、情動は、心理面です、心です。


今回は、痛みと心の話しをしたいと思います。

リウマチの患者さんに、よく話すことなのですが、
「痛みは、心も関係しますよ」と話すと理解してくれる方もおれば、
「はあ!?」という顔をされる方もおられます。

痛みは、体で感じていると思っている方が多いのですが、
痛み自体を感じているのは、心です。

痛みは心、心理面でも知覚しています。


痛みに限らず、知覚というものは、主観的で個人的な体験です。
そのため、自分が感じた痛みや知覚を
他人にまったく同じように使えることはできません。


知覚というののは、例えば、自分が好きな音楽が、他人には興味がなかったり、
自分が大好きな絵が他人も同じように大好きとは限りません。

同じように聴いいたり、見たりしても、人それぞれ、感じ方は違います。



痛みも同じです。 

前回書いたように、自分の「すごく痛い」は
他の人も同じように、「すごく痛い」とは限らないのです。




「人は生きてきたように痛む」
「痛みは生きざまを映す」


医師の永田勝太郎先生の本に書かれていました。


「身体(からだ)、心理(こころ)、社会(環境)、実存(生きる意味・責任)モデル」
ということが、痛みには大きく関係します。

つまり、痛みは人間の生きざまも大きく関係するのです。


CRPが0,3でも、痛くて、痛くて仕方がなく、うつ状態の方もおれば、
CRPが15でも、痛みはあるけど、仕事をしていたと言う方もおられます。


痛みの背景にはさまざまな身体の問題、心の問題、環境問題が
大きく関わってきます。


ここでいう環境問題とは、別に自然破壊などの話しではありません。

環境とは、その人の置かれている立場です。
この環境は、家庭環境、社会環境(仕事場、人間関係)のことです。



来院されていた方で、このような方がおられました。


過去のトラウマ、子供の時に母親がリウマチになった方がいました。
当時は、関節の破壊を止める薬はなかったため、中学校の時には、
母親は寝たきりに近い状態だったと言います。

そして、いつもこのように言うそうです。

「あなたも、大人になったらリウマチになるかもしれない」
「手に痛みが出たらすぐに病院に行きなさい」

当時は遺伝がリウマチに大きく関係すると思われていたので、
心配した母親がこのようなことを、よく言っていたそうです。

こういうことを言われていた人が、
大人になり、関節が痛くなれば、何を思いますか?

「私にも、ついにきた、リウマチだ・・・」

関節が痛くなれば、昔、寝たきり状態のリウマチの母親から言われたことを思い出し、
痛みは、どんどん強くなります。

エピジェネティクス(これについては詳しくまた書きます)という考えでは、
環境要因により、リウマチを発病したとも考えられます。



他にも、環境や立場が影響して、
リウマチの痛みを強く感じてしまう方は多い。



例を出せば、


離婚問題が出だしてから、リウマチが発病し、
薬を飲んでも、なかなか痛みが取れない方。

昔から苦手だった、自分の母親と同居しだしてから、
痛みが強くなり、抗リウマチ薬も効かなくなった方。

親の介護問題が出てきて、リウマチの痛みが強くなった方。

職場での人間関係がうまくいかなくなってから、痛みが強くなった方。

ご主人が転職を繰り返すことからの不安感から、痛みを強く感じる方。

子供が、大学入学で家を出でてから、淋しさ、喪失感か痛みが強くなった方。



これらのことは、何も1人だけの話しではなく、何人もいました。

また、痛みは心や環境も関係していると説明しても、
理解を示してくれない人ほど、いくらリウマチの薬の量を増やしたり変えても
症状が改善しない方が多かった。



「医者は、こんな話しをいいませんが?」

こう言った方もいました。


医者が言わない理由は、痛みは数値化できないからです。

最初に書いたように、個人の感覚が大きく関係するので、
痛みを数値で表すことができないのです。


また、性格、心理状態、環境によって痛みの感度は変化するため、
個体差がありすぎるため、数値化は不可能なことなのです。




永田勝太郎先生の著書「痛み治療の人間学」という本に
このようなことが書かれていました。


『 慢性の痛みは、その患者さん固有の生きざまの歪みがからだに反映された病能と
言えよう。 言わば、慢性の痛みは生きざまの絡んだ病能である。

痛みに苦しんでいる方には、自己の生き方、それとつながった生活の問題はなかったか、
よく振り返っていただきたい。臨床の現場から見ると、暮らしのなかにかなり無理があったり、
からだに負担をかけていることに気づくことが多い。 』




痛みには、身体の現象だけでなく、
心の面も大きく影響するということを知っていることで、
冷静な判断ができるようになります。

痛みが出た時は、心理面、環境もよく考えてください。
正しい認知を持つことで、痛みに対しての不安感は減ります。


現代の内科学の基礎を築いたカナダの名医である
マックギル大学教授のウィリアム・オスラーの言葉

「習慣が人間をつくる、病気をつくる」


心の面だけではく、食事や睡眠もリウマチには関係します。
こちらは、またの機会にお話しします。


_______________________________


1938年創刊の老舗 鍼灸治療雑誌「医道の日本」誌編集部から
執筆の依頼があり論文を投稿しました。
(2016年 4月号に掲載)



─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

ブログランキングに登録しています。
下の 「 リウマチ 」 ボタン押していただけると励みになります!


にほんブログ村

● リウマチ専門サイト  ← クリック
● 氣よし鍼灸院 メインサイト ← クリック