『Perfume Locks』後編 | Perfumeとグルメの日記

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Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
この2つのテーマについてのエントリーが中心です。

『リニアモーターガール』発売決定までの徳間ジャパンとPerfume側のやり取りについて昨日は書きました。
後編は放送の中で話されたもう一つのキーワード『アキハバラブ』について。




まず、2005年未だメジャーデビューが叶わないPerfumeにアミューズはどのような活動をさせていたのでしょうか。




2005年のPerfumeの活動もライブが中心です。
なぜかこの頃から秋葉原方面に進出し始め、数回の路上ライブの他、対バンライブでもBEE-HIVEのメンバーと共演する事もあれば、アニメ系のアイドルとも共演したり、はたまた掟ポルシェ氏のライブにゲスト参加とその拠点が定まりません。




この年の7月7日に、現代アートの雄、グラインダーマンと共演したソロライブ「Play a Trick On You」でメジャーデビュー発表をしたかと思えば、7月24日には秋葉原で行われたメイドカフェの店員たちが打ち水を行うというだけの、打ち水イベントにPerfumeは参加します。
8月にはお台場で写真撮影可のアイドルイベントに出演。
その3日後にはイベント「J-POP Union」で、のっちが初DJプレイを披露(曲は『ジューシィーフレグランス』)。
9月には「申し訳ないと」にゲスト出演し、早朝アイドルとして、観客にラーメンをふるまうという天衣無縫ぶり。




こんなスケジュールの最中、『リニアモーターガール』が発売される1ヶ月前の8月29日に『アキハバラブ』は発売され、共演者の桃井はること秋葉原にて毎週インストアイベントを行っているのです。




とにかく、この頃のPerfumeの活動にはターゲットに対する一貫性が感じられません。
良く言えばチャレンジ精神の固まりで、悪く言えば節操がなく、あ~ちゃんに「血迷っていた」と言われても仕方のない仕事の選び方です。




ではなぜこんな事になっていたのでしょうか?




ボクは2005年の活動が2008年のそれによく似ているような気がしてなりません。




この年は『BcL』がヒットした後、アルバム『GAME』が遂に1位。
直後の全国ツアーも成功させた後、夏には各地でライブイベントや夏フェスに多数出演。
そのままの勢いで武道館まで雪崩れ込みます。




と、同時に2008年はテレビのバラエティー番組にもたくさん出演していたのを覚えていらっしゃいますか?




『BcL』の衣装を着てクイズ番組やトーク番組に出ていたり、『HAPPY』や『気になる子ちゃん』などのレギュラー番組に、2009年正月には、はんにゃたち若手お笑い芸人ともバラエティーで共演しています。




これで解るように、2005年と2008年の共通項は、Perfumeの歌手としての世間に対する認知度を上げる為に、音楽以外のバラエティー関係の仕事を利用しようとしている事です。
違いは打ち水イベント程度の小規模イベントしか出られなかった2005年に対し、2008年は地上波テレビが利用できた事でしょう。
どちらにしても異業種の仕事をこなす事をプロモーションにする戦略という点で両年は一致します。




ここで、昨日登場した篠木雅博氏のインタビューを抜粋すると、


『Perfumeは「アキバ」や「近未来」がキーワードのユニットなので、つくばエキスプレスの開通とタイアップでリニアモーターガールという展開はどうかと私見を出した』


と語っています。




つまり、『リニアモーターガール』という曲は徳間ジャパンの誘導によって戦略が練られ、アミューズ側はそのコンセプトに沿うようにPerfumeの活動を徐々に秋葉原のコアな層に受けるようにシフトチェンジさせたのが2005年ではないでしょうか。
それが「打ち水大作戦」や秋葉原で根強い支持のある桃井はることの共演であり、その層への認知度を上げる為に、これらのバラエティー関係のイベントを利用しようとしたのがこの年の特徴といえます。




この目的の為に、篠木氏が徳間ジャパンからPerfumeをデビューさせる事を決め、予算のついた2005年2月から、(徳間の決算月は2月)デビュー日まで7ヶ月以上もかかった原因なのでしょう。




つまり、『アキハバラブ』というあだ花は、メジャーデビュー曲の『リニアモーターガール』の徳間ジャパンの戦略に応える為に、アミューズが腐心して考えた秋葉原のコア層に対するプロモーション活動だったというのが結論です。




ただこの戦略には重大な事実誤認があった事がデビュー曲からPerfumeがコケ続ける大きな原因になったのです。
それに関しては2006年の時にでも。