特別料理上手ではないけれど、段々おうちごはんをすることが、楽しくなってきた。不思議なことに、料理をしている時に、亡くなった両親の事を思い出す。

「天ぷらは、顔を見ながら揚げると、美味しいよ。揚げたてがいちばんだよ」とつぶやいていた母の顔。「料理というのは、ひと手間余分にかけると、味が良くなるんだよ」「蕎麦を茹でる時は、そこから離れないで!」「美味しいけんちん汁を作るには、畑で野菜を自分で作るんだ」と言っていた父。

美味しいものを食べる為に、素材にこだわっていた。父は、仕事も地域のお世話も家事も、普通にこなしていた。「男なのにどうしてそんなに何でも出来るの?」と聞いたことがある。「母親を10歳の時亡くしたから、子供の時から何でもやってきた」「なるほど!」何でもテキパキこなし「生涯現役」と言って、その通りの人生を送り、見事に散った。「やりたいことをみんなやった!良い人生だった!」と言い残した。

両親から肉体の遺伝子と心の遺伝子を頂いていることに、改めて気付いた。昨日は、こうして両親の言葉を思い出しながら、筍とワラビのアク抜きをした。旬に素材を活かして、五目ご飯とサラダとお味噌汁を作った。

コラージュセラピーに来てくれた父と娘、勉強に来た若い女の子達に食べてもらった。味噌も昨年作った手作り味噌だった。「これが噂の味噌汁なんですね」とお父さんが言われたので驚いた。「子供や嫁さんが美味しいって言ってたんですよ」と。

嬉しい言葉だった。両親から教えられたことは本当だった。めんどくさいと思うことを、手間暇かけてやること。手をかけ、時間をかけ、心を込めてやればいい。最後に仕上げる時に「美味しくなあれ!美味しくなあれ!」

もしかしたら、これは人生の生き方に繋がることかもしれない。やるべきことをやり「美味しくなあれ!みんな幸せになあれ!」と言い続けよう。筍ご飯をお土産に持って行ってもらったら、今朝は「美味しかった!」とお礼メールが入っていた。幸せのお裾分け!みんなで分かち合えば、もっと美味しい人生が待っているかもね。
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赤ちゃんも一緒に
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ムックリの練習
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親子でコラージュ。ハッピータイム