敵国も自国も同じ権力抗争の構図が。 『チュモン』④ | コワれるまで ALLORA

敵国も自国も同じ権力抗争の構図が。 『チュモン』④

三足烏 『朱蒙(チュモン)(2006年)、全81話を観終えました。

スペクタルシーンが多くてお金をかけたでしょうし、なかなか泣けるシーンもありました。

なによりも、さすがは韓流ドラマ。
『歴史上の女王が実はモンゴル沙漠の遊牧民』というほどのビックリ設定ではなく、実にそれっぽい。
古朝鮮の神話を実にうまくアレンジしていて、古書に登場する人物らを生き生きと描いてくれました。

夫余(プヨ)での、帯素(テソ)王子(キム・スンス)・ヨンポ王子(ウォン・ギジュン)・チュモン(ソン・イルグク)の権力争いの構図が、新生高句麗(コグリョ)沸流(ピリュ)王子(イ・ジェソク)・温祚王(オンジョ )子(キム・ソク)・瑠璃(ユリ)王子(アン・ヨンジュン)と全く同じになってしまうという設定はお見事 !!

でも、さすがにそれを深堀するには話数が足らなかったのか、結構すっ飛ばしてしまい、“いい関係”になりましたっていう終わり方にしてしまっていました。

それもいいでしょうけど、そこでの第二太王后(テワンフ)ソソノ(ハン・ヘジン)の選択の苦悩や、片や混乱の原因たる存在となってしまった第一太王后(テワンフ)イェソヤ(ソン・ジヒョ)の苦悩をもっと描いてほしかったな~と思いました。

最後のあたりでなんか泣かされたのが、軍器(クンギ)博士(パクサ)に出世した鍛冶頭のモパルモ。
演じたのはベテラン男優 イ・ゲイン。
チュモン
太王后(テワンフ)といっしょに南下してほしい」というチュモンの離別の依頼に号泣

南下して ソソノは百済を(ペクチェ )建国するわけですが、もしかするとモパルモが初代パクサ?
彼が技術のペクチェの、太学舎(テハクサ)を起こす人なのでしょうか?



     三足烏     三足烏     三足烏


そのモパルモが鋼鉄剣や鋼鉄製の武具を作ろうと苦心する話が、ずっと本作のサブストーリーとして続きます。

男性ならばみんな刃物が好き・・・かどうかは分かりませんが、私は好きです。

で、黄土を混ぜて強度を上げるという技術にたどり着くのですが、これは荒唐無稽な話ではないようです。

日本刀の鍛造方法・・・私の若い頃は写真を多用した高い本を買うしか知る手段がなかった時代でしたが、今は動画サイトで簡単に知られます。

今でも日本刀は、泥をかけて鍛造することによって、鍛鉄の強度を増しているそうです。



10kgの玉鋼が、鍛造を繰り返すことによって10分の1くらいの重量にまで純度を高めていくらしいです。

本作の背景である紀元前5,4世紀から紀元3世紀あたりが日本では弥生時代。
その頃の日本はまだ銅鐸などの青銅器時代でした。

大陸ではもう鉄器の時代だったのでしょうかねぇ。