骨太な歴史ドラマ「トキメキ成均館スキャンダル」 | コワれるまで ALLORA

骨太な歴史ドラマ「トキメキ成均館スキャンダル」

静岡県の地上波ローカル放送でやってる 帽子 『トキメキ成均館スキャンダル(Sungkyunkwan Scandal)、面白いです。

「トキメキ」なんてチャラい日本語タイトルは、ホントの内容を表していません。
(初回の視聴率狙いだったのでしょうけど、浅はかだなぁ)

16世紀の朝鮮王朝当時の社会を垣間見られて興味津々。

あと、先の書き込みに「歳月の重さ」と書きましたが、主人公キム・ユニ(キム・ユンシク)の「お前なんかに貧しい民の生活が分かるもんか」という叫びの背景にも、それはあります。

父親が非業の死を遂げて以来、12歳頃からキム・ユニは男装をして、筆写アルバイトで母弟を食べさせてきました。

新榜礼(シンバンネ)(生徒会による新人歓迎パーティー)でユニが捧げた供物とか、休暇で実家に帰るユニへのハ・インスたちの意地悪とか、同情してしまいます。

一方で成均館の学生たちは皆ハイソな家柄。
貧富の差や男尊女卑といった人生のハンディを乗り越えるところに、このドラマが持つ視聴者への強い応援メッセージがあるのですね。

でも、韓国でこのドラマが2010年最高のドラマとなった、その魅力のひとつは、やっぱりもう1人の主人公イ・ソンジュンが語る“信念の言葉”の強さではないでしょうか。

私もガツンと来ましたから、もっと若い人たちの心には、人生へのエールとして響いたのではないかと思います。

例えば、大射礼(テサレ)(弓の大会)を前に、女の体力でユニは弓を引けません。
雨の中、『もう僕にはかまうな』と投げやりなユニに、イ・ソンジュンが厳しく理を説きます。

『偏見を作ったのは世間だが、克服するのは君次第だ。
人は誰でも自分の的の前に立っている。矢を全て射るまでは後に引けない(自分の境遇から逃げているだけでは、何も変えられない)。
そして何よりもキム・ユンシク、曲がった矢では、的に当てることは出来ないのだ』

第5話にして この台詞(セリフ)を聞いて、私、心が動きました

これは骨太のドラマだ、と。


セリフは分からないかもしれませんが、1分30秒あたりからの雰囲気がGood!


このドラマ、こんな珠玉の言葉がたくさんちりばめられています。

人を動かす言魂の強さを、堪能しました!



原作本『成均館儒生たちの日々 上巻』はこちらへ。