いつも行くスーパーで、カードは出す。それにポイントが溜まる。食料だから、買うのはハンパではない。前は一週間に一度行くスーパーで多いときは2万くらい使う。いまはその半分以下だが、それで帰りがけ、出口に置いてある機械にバーコードをかざし、会員情報を読み込ませると、ゴレンジャーが出てきて、何色かを選ぶ。ピンクを選んだら2ポイント追加。それが加算されてゆく。時折、溜まったかなと、商品券と交換とやると、3000円分と交換できるとある。それをいただき、サービスコーナーでレシートを見せてそこのチェーン店で使える商品券と交換する。わたしが使うのは、系列の衣料品店でメンズウエアと取り替えるのだ。買わなくていい。
 同じスーパーではさらにシールを集めていますかと、訊かれる。そこまではしない。一生懸命に勧める。台紙に貼ると、いろんなものがもらえるようだが、カードだけでも面倒なのにと、断る。わたしの後ろに並んでいる買い物客のおばさんに上げたら喜ばれた。

 実際、まめにこつこつと集めるのが嫌いなのだ。面倒くさいのは男はみんなそうかもしれないと思ったら、ある宴会で、ペンの仲間がビール瓶についているシールを集めていた。何かもらえるのだ。男も女も関係はない。いただけるものは嬉しいのだとか。
 前にANAが青森空港に入っていたときは、そのカードを持ってマイルを溜めようとした。ところが、まもなくANAは青森から逃げ出す。かつては東亜国内航空もいたのに、いまではJALだけしかいない。JAL系列の飛行機は高いので乗る機会もないし、マイルが溜まるカードは持っているが、あまり使わない。いまでは、あちこちに行くのに、面倒だという理由で、というか、どうやって溜めるのか機械操作が判らずに、やっていないのが実情で、溜めるやり方を知らない。マイルを溜めて海外の切符をゲットしようというのは魅力だが、航空会社がどの系列なのかということもよく知らない。
 Tカードというのがあった。それはブックオフでよく本を買うのでそこだけで使っていた。ところが、ブックオフはいつしかTカードの提携をやめてしまう。そうなると、ガソリンスタンドでTカードはお持ちですかと訊かれても、いまは持っていない。ツタヤなど殆ど行ったことがない。本を買うのは地元の本屋と決めている。そこのカードも訊かれるが、作ったことがない。
 使える店のリストが書かれた紙なんか最初にいただくが、田舎ではよく見たら、使える店は本当に少ない。いまでこそコンビニはあちこちできたが、それでも青森県にはセブンイレブンは一店もない。スタバがようやく二店できたと、開店に人が並ぶ。しかも、スタバができたとテレビのニュースに出る。都会では考えられない。
 クオカードというのを以前、どこかの会社からいただいた。東京に本社のある取引会社だが、見たこともない1000円分使えるカードだ。それも使える店は少ない。使える店の中で、ようやく全国チェーンのT書店があったので、そこで本は買えた。上げるほうも上げるほうで、全国どこでも使えると思って配ったようだ。

 なんだかよく判らないが、スイカもそうだし、いろんなカードがあり、電車に乗るときに改札にかざすだけ。いろんな場所でみんなそれを使っている。スイカはまだチャージする前払い式だから金利はかからないが、それでも自分の金を先に払うというのに何のメリットもない。小銭をいちいち出す手間が省けるというだけのこと。全国の人たちがなんらかの形で、このチャージをしていれば、何百億という資金が集まることになる。そこも金を動かす会社なので、倒産しない保証はない。何か、安易で簡単なキャッシュレスには、罠が待っていそうな気がする。
 電子マネーだと、若い人たちにはなんら抵抗もなく、おさいふケータイを使っている。コンビニでも機械にケータイをかざして、缶コーヒーなんか買っている。そんなの小銭で買えよといいたい。聞いたら、ポイントが溜まるというのだ。だけど、クレジット会社では、利息で営業が成り立っているのではないか。少額商品まで、カードで払って使わせる。そういう小さなことから慣れさせて、気がついたら、一人年間かなり使うことに仕向ける。どんな商売でも現金がいいに決まっている。カードでポイントと使わせる手に乗せられて、その使った年間の金額に対するカード会社に対する金利とポイントサービスをきちんと計算したことがあるのか。
 そういう使わせることは、固定客化を図るだめだというのは判る。問題は、ついつい使いすぎて、リボ払いなどの月々いくらと少ない金額だからと、それで返済となれば、今度はサラ金に近い金利を払う羽目になる。
 要は、使わせて、慣れさせることだ。手なづけて、そのうち、そういう地獄に引き入れる。限度額が決まっているから安心と言っても、そういうカードなど、いろんなものを使っていたら、合計金額が判らなくなる。なんだか知らないが、いつも通帳から引かれて、残高があまりないと気がつく。

 わたしは昔から言う、いつもにこにこ現金払いなのだが、ネットでの買い物になるとクレジットカードはどうしても必要だ。大人の休日倶楽部もカードがいる。航空券もカードだ。アマゾンや楽天のホテル予約もカード払いだ。いまは一枚より持っていないが、後は全部解約して、年会費のかかるものはすべて返した。
 車には、ガソリンスタンド別のカードがごそごそとあり、財布の中はいまは処分してないが、一時は20枚以上はあって、財布も厚く、金は入っていないで、カードばかりであった。レジでカードは?と訊かれて、全部、出して並べる。どれがどこの店なのか判らない。あまりうるさいので、そんなのいらないと、常に断ることにした。

 と、言っているくせに、うちの古本屋でもポイントカードを作って、お客さんは結構利用している。500円買えば1点で、20点で千円分が買える。10%だからお得だ。1%のポイントは、気が遠くなる。かなり買っても、ちゃちな景品。欲しいものはない。
 われわれの周辺には、餌がいつも撒かれている。気をつけないと、釣られてしまう。