インターバル。 | gogo!320che⇒サンフレッチェ

インターバル。

今週末、Jリーグが帰ってきます。
残り3試合となった終盤、3週間のインターバルは、どこのチームに
とってもあまりいい休みでは、ないのでは、と思いました。
上位も下位も張りつめた空気が緩んでしまいますし、うちのような
中位も上をという気持ちがなくなったもんですから、緩むどころか
シーズンが終わってしまうのでは、ないかと思ってしまいます。
実際、リーグ終了が1か月早いので、いつもは、11月中旬の契約開示も
もしかするともう終わっているかもしれません。
気は、抜けるわ、来季の契約状況も出てるかもしれないわで、すっきり
したのか、悩みを抱えるのか、個々の嬉々こもごもとともに、
もはや季語となった「このメンバーで闘えるのもあと何試合」という
言葉もでてくるようになりましたから(これがでてくると、ああ、開示
あったんかなと思う)本格的にシーズン終盤ということになっていくの
だとさみしく思います。

とりあえずは、近々の22日の川崎戦ですが、ここに勝てるかどうかは、
別にして、どういうサッカーができるかで、天皇杯がどこまでいけるのか
わかってくると思います。
(それによって、年末の動向が決まるというわけで)
鳥栖に勝たないとというのもありますし、実際、獲りにいくのか、という
ところもあります。
近年の休みの無さをかんがえると、選手もしっかり休んで来季に向けて
整えたいというところだと、思うのです。
監督もね、しっかりとメンバーのパーソナルを紐解きながら来季のサッカーを
考える時間が必要ですしね。
今年は、ドグが出て行って、ウタさんが来たけれど、そこに合わせる
サッカーができなかったうえに、結果もでなかったということになって
しまいましたから。

清水でウタさんが一人でサッカーしていた、というところ、うちならいける
と、思ったこともあります。
でも、いまとなっては、なかなか彼の思うようなところに選手を配置できる
サッカーは、日本じゃできない、というか、彼の考える理想というのは、
本場でもノリに乗っているチームでないとできないと思うのです。
(ものすごい、ギリギリを要求してきますから、そこにというのは、なかなか)
ですが、柴崎さんのことは、評価しているようですし、そういうところから
コンビネーションができれば、いいなと思うのです。

キャプテンが攻守を采配するチームで、王様でありたいトップですから
うまく合わないのは、そもそもシーズン当初からわかっていたところかも
しれません。
しかも、そのキャプテンが結構な人見知りと来たもんですから、さらに
寿人さんの時のような、ホットラインが生まれそうもないと。
でも、ドグの時もダイレクトでなく、サイドを介してトップ下とコンビしたりと
キャプテンもウタさんと同じく「ピンポイント」で合わないとならん人
なのでしょう。

ウタさんは、アフリカンなので、「男として」というところは、日本人の頑固の
比では、ないと思うのです。
民族としてのプライドも高いですし、それは、後からついてきたものでなく
ウタさんの中で、培われて引き継がれてきた遺伝子ですから、そんな簡単に
変わるものでは、ないのですよね。
(このあたりは、アフリカの民族について、学んでみると日本との違いが
わかってくると思います。)
そういうところをオランダで海外経験があり、たぶん、オランダのチームにも
アフリカ系の選手がいたであろう経験から、ウタさんとのコミュニケーションは、
千葉ちゃんが取っていたと思うのです。
(こういうところを考えると、海外経験って大事やなって思うんです。)

キャプテンとして残り3試合、そこを乗り越えていけるか、というところだと思うのです。
それは、若手についても同じことで「迷わせるから言わない」というのでは、なく
いかにチームのために自分をかなぐり捨てて向き合えるか、というところで、若手に
自分が培ってきたことのすべて見せて聞かせてやれるかというところで、メンバーに
「サンフレッチェ広島」というチームが君の居場所であることを伝えられるのでは
ないかと思うのです。



キャプテンの悩みとして、今年は、若手でどんどん出て行ってしまったことも
あったと思います。
もともと、去る者追いたいタイプなので、一人出ていくとものすごくへこむのでは、
ないかと思うのです。
大谷くんが出て行った日のファンサでサインの後に一言もらいたかったのだけど、
普段は、断ることをしないキャプテンが「今日は、もういいじゃん」と言ったのです。
他の人には、普通にしてたので、なんでやろーと思ったのですが、うちに帰って
「ああ、しまった、大谷君のことものすごく、つらかったんだ」と、気づいたのです。
この世界では、移籍することは、当たり前なのですが、ガク、拓磨、よっしー、ボムヨン
そして、ウインドウがクローズしたのに、「育成型」という方法でチームを出て行って
しまう子が出たというのが、キャプテンとして、とてもつらかったのだと思います。
(新大阪で、マッスーにめちゃ絡んでたのは、・・・だったのかな?と。今、広島に
いるのは、キャプテンのおかげ??)

若手がいればこそ、自分たちになにかあっても託せると思っていたのに、その託す
メンバーがいなくなるというのは、「本当に自分たちだけでやらないとならないのか」
という、焦燥感にかられたと思うのです。
しかも、サッカーは、ウタさんを中心とした、スピーディで判断力も問われるサッカー
ですから、なおのことレギュラーにかかる負担は、大きかったと思うのです。


最初、今回のインターバルがうちにとってよくないと思うと書きましたが、いやいや
もしかすると、長い目で見て、いろんなことが進んだ3週間だったかもしれません。

鳥取の試合では、若手が勝利しました。
夏からこっちメンバーも減ってきて、よっしーが京都に行ってからは、全然勝てなかった
サブチームがやっと勝てたのです。
しかも、このチームがやっと、一つになってきたのです。
まるちゃんをキャプテンにチャジさんが引き締めるチームです。
皆川君は、いいお兄さんですし、末弟のヘンリーまで個性的で、それぞれのスタイルを
貫きつつ、融合できるまでに成長してきました。
なにより、コーチ陣が、若手に対して個々のスタイルを尊重してきたことが今の成長に
繋がっていると思うのです。

型にはめてしまえば、簡単に勝てるチームが作れると思うのです。
ですが、彼らが自分自身を失うようなサッカーは、絶対にさせないと誓っているように
思いました。
どんなにできなくてもどんなにぶさいくでも、その子の持っている一番輝く瞬間を
チームの型にはめて、こうしとああしろとは、言わず、本人が自信を持っている
プレイでいい形に持っていったときに「ブラボー!」とほめる、考えてみると
ものすごく、難しい指導をしてもらっているのでは、ないかと思うのです。
目には、見えにくいし、本人たちも感じにくいし、よそのクラブの若手より、自分が
伸びていないと感じるかもしれませんが、こんなに個性を大事にしながら育ててくれる
コーチ陣は、どこにもいないと思っています。

その芽吹きが、この3週間の間に来たように思います。

キャプテンもいろいろ整理がついたのかもしれません。
いままでなかったようなシーンも見ることができましたし、なにより、発信する気持ちも
生まれてきたのでは、と思いました。



サインの横に「復活!」と書いてくれたキャプテン。
しかと、その思いを受け取りました。

「見せて」もらいますよ。その心意気を。