梅島の名機(ペトリV6 編) | ★カメラのキタムラ公式ブログ★

梅島の名機(ペトリV6 編)

2回目の更新です。

田口さんのコラムです。
ご覧くださいませ♪

PETRI V6

休み明けには時としてとんでもない入院患者が待っている。

出来る、出来ないは問題では無いと心優しい同僚です。勿論手がけたことは無い。

巻き上げ飾りネジ

巻き上げ飾りネジは、時計方向の逆ネジであった。
他の部品の分離に仕掛けは無い。

モルトの破片がこびり付いた焦点板

焦点板にモルトの破片がこびり付いて目障りだ。

プリズム・焦点板と外す

プリズム・焦点板と外していく。

加水分解したモルト

ミラーカーテンを剥がせば加水分解したモルトが現れる。
ミラーが跳ね上がる度に剥離したモルトが焦点板下部に取り付く。
取り付いてもミラーの跳ね上がり衝撃で落ちるのもある故、新旧交代の争いが起きていると想像する。

優れた防湿塗料

プリズム押さえの緩衝剤にモルトの使用が見られるが、防湿塗料の違いか?

僅かな変質に止まり、蒸着部分までの腐食が見られない。
求められた良き仕事をしている防湿塗料は優れものである。見習って欲しいと思う。

レリーズカバーを外す

擬皮の捲れもあり、恐る恐るレリーズカバーを外してみた。

マウント部

すると4本のネジがマウント部を固定しているように見える。
怖い物見たさにネジを外すと素直に分離が出来る。
尾ひれが着いてきたのはシンクロターミナルのリード線一本でした。

特徴的な枚数計の仕様

ペトリV6の枚数計の動きに特徴がある。

通常は巻き上げると枚数計が進む仕様が多い中、シャッターを切ると枚数計が進む。
その仕様は、ミラー軸が枚数計作動レバーを飛び越し

返るときに駄賃として枚数計作動レバーを蹴飛ばすのである。

枚数計送りレバーを叩き、進む仕掛け

蹴飛ばされた枚数計作動レバーは枚数計送りレバーを叩き、進む仕掛けになっていた。
マウント部を外したことにより、シャッター幕軸に油分の補給が出来、サクサクと動き出しました。
怖い物見たさの心理を突かれました同僚に感謝の修理作業でした。


日本橋店中古売場 田口由明