真子が北九州に避難して、まる2か月が過ぎ、バイトも決まり、少しずつ日常を取り戻そうとしていた時

 

 

いわきの友人からメールで「北九州市が石巻の震災瓦礫を燃やす」ことを知った。


寝耳に水・・・・・

 

 

真子は北九州の支援者に問い合わせる前、ネット上で北九州の放射能汚染について少しは調べた。

 

ネット検索すると、

 

千葉の産業廃棄物を北九州にある影和製鋼という会社で燃やし、付近住民が鼻血を出したという噂がたくさん出てきた。

 

 

あと岩手の震災瓦礫を受け入れる動きがあったが止めたということが出てきた。

 


それで、(たぶん2011年の9月か10月だったと思う)すぐ北九州市に電話した。

 

(どこの部署で、担当者が誰だったかはメモしてなかった)

 

「放射性物質を含む震災瓦礫の受け入れの噂がネット上に載っているが、それは事実ですか?」

 

すると、

 

「今は受け入れの事実はない。放射性物質と言っても極微量です。市民が不安になっているので、今回の受け入れはなくなった。」

 

と回答した。


~だよね~東北からわざわざ九州までゴミ運ぶって、

 

どんだけ無駄なのさ・・・ないない~

 

 

すっかり安心し、

 

詰めの甘い真子は、

 

 

「受け入れなくなった」という言葉を信じ、


「今は」「今回は」の言葉を聞き流してしまった。

 

 


1、行政職員は嘘にならないウソをつく。

2、市民に嘘はつけないので、嘘にならないことしか言わない。

3、情報提供を積極的にしない。

4、意外に無知だったりする。

 


この4つは、今は真子の中で常識だが、

 

この頃の真子は行政や国、報道を信じる癖がまだ完全に抜けていなかったので、見抜けなかった。

 


いわきから北九州への避難費用・・・・・

 

約100万円・・・・・

 

避難に係る労力・・・・・

 

家族を壊しても生活レベルを下げても、守りたかった子どもたちの健康と命・・・

 

年老いた両親とこの年令になって離れ離れになっても守りたかった子どもたちの健康と命・・・・

 

5歳から音楽一筋にやってきた努力、可愛い生徒たち、結構流行っていたピアノ教室を手放し、一から始める気力・・・・

 

真子は自宅でピアノ教室の経営だったので、子どもだけにさせたことがなかった。でもここでは学童保育のお世話になるしかない。

 

 

色んな思いが頭の中でグルグルまわった。

 


他の人には、大したことではないかもしれないが、


子どもたちや真子にとっては

大きく生活が変わり、

 

この生活に飛び込む勇気を振り絞り、

 

やっと自主避難したんだ。

 

 


お金も、労力も、勇気も、真子の思いも・・・

 

すべてドブに捨てたと同じ・・・・・

 

 

 

石巻の震災瓦礫を北九州で燃やすんですか?

 

 


どこで?

 

 

清掃工場の場所を調べてみたらー


あれれ????


私(真子)が避難した場所からたった2kmの所で燃やすんかい?

 

!!!2km?????????!だとお=?!

 

 

くらうじゃん!

 

放射性物質喰らっちゃうじゃん!

 

 

放射能汚染から100万以上かけて逃げてきたのに、たった2か月で喰らうの?

 

 

シャレになんない。

 

怒り、ガッカリ、なんで?という気持ち・・

頭の中をグルグル回った。

 

 

せーいっぱい妥協して、近場で処理ならわかる・・・(広域処理の危険性を理解していなかった真子ちゃん・・だめよww)

 

 

爆発したフクイチからそれほど離れていない石巻市のごみを

 

 

わざわざ九州に運んで燃やすことの不自然さを、

 

 

真子の本能が拒絶した。

 


いわきにいた時は、確かに土壌汚染はひどいし、原発から40kmだったけど、当時稼働していた焼却施設は20km以上離れていた。

 

いわきにいた当時、真子に焼却施設の危険性についての知識は全くなかったが、

 


原発が爆発して、20000bq/kgの選定した木をゴミ出ししていることを知っていたので、

 


ごみを普通に焼却して、誰も何も言わないことが一番怖かった。

 


子どもが毎日鼻血を出し、自分もそれまでなかった心臓の痛みがたびたび出てきて・・それが結構放射能に無頓着な友人たちも出てて、


親戚や知り合いが結構死んで、

 

放射能汚染の被害はガンだけではないと薄々感じていた。

 


放射能汚染を間近で経験していない九州の人たち・・

 

福島や宮城の放射能土壌汚染を知らない人たちに、空間線量だけ教えて放射性物質を燃やすことを正当化させるの?

 


真子は

 

「ぜってー許したくない」

 

って思った。

 


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2012.3.11


真子は3分間スピーチをお願いされてた、さよなら原発北九州の会場で、


「石巻のがれきを受け入れないでください!」

「福島のお母さんたちが九州の野菜や米を買って子どもに食べさせているんです!」


って言った。

 

一瞬、あたりはシーンとなった。

 

 


となりにいた関東からの自主避難者に壇上で名刺を渡された。

 

そう、

 

原発反対の集会だったけど、原発反対の集会に集まった人たちの多くは、石巻瓦礫の受け入れに賛成だった。

 

北九州市議会は全会派石巻の震災瓦礫を受け入れることに賛成の方向らしい。


全会派?????


あの反原発、脱原発の旗を挙げている共産党や社民党でさえ、

放射性物質を焼却することに、放射性物質を埋め立てることに賛成する方向なの?????

 

 

 

スピーチが終わり、この変な空気の意味を関東の自主避難者から聞いて愕然とした。

 

原発反対の集会なのに、

 

何で放射能汚染瓦礫を全国にバラまくことに賛成してるんだ?

 

 さっき、あのオバサン涙声で

福島を忘れない~って言ってたのに、演技か?

 

放射能汚染のある瓦礫は受け入れちゃうんだ。

 

何の絆だ?

この人たち、放射能の全国拡散に賛成なんだ・・・

 

この集会、反原発って言ってるけど、放射能瓦礫の全国拡散イコール、日本列島が核廃棄物の埋め立て場になる可能性を少しも考えてないの集団なの?

 

 

 

真子は生まれて初めて参加した反原発の集会に非常に違和感を抱いた。

 

なんだ?この集団。

 

これだけの人が何十年も「原発反対」って言ってるのに、

これじゃあ、止まらなかった筈だわww

 

 

ここに集まっている一人一人は、

真剣に原発反対してるのに・・・

 

何かがおかしい・・・・・

 

 

 

 

この数日後、

 

 

北九州は石巻震災瓦礫を受け入れることを

北九州市市議会全会派一致で議決した。

 

 

誰も考えないの?この恐ろしさを・・・

 

 

放射能が濃いとか薄いとか

放射能が安全とか危険とかの問題ではないんだ。

 


放射性物質の焼却が全国一斉にOKになっちゃう、

 

放射性物質の焼却、埋め立てが国民にも周知され、

 

放射性物質の焼却・埋め立てが当たり前になっちゃうことが問題なのに、

 

 

そこ目を瞑る・・・・の・・・?・・・

 

職員も議員も反原発の集会に参加していた人たちも・・

 

 

・・・・・バカなのか・・・

・・・・・わかってやってんのか・・・

 

大真面目に放射能瓦礫の全国拡散が必要だと言ってる・・・

 

・・・理解不能・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

真子が見た

福島で一斉に始まった各家庭の素人除染。

 

除染で出てきた草木を普通にゴミに出していたこと。

 


それを疑問に思わない行政・・・・


問題提起しない議員たち・・・・

 

 

どうなってんの?

 

どうなっちゃうの?


基本、無関心生活を46年やって来た真子だったが、

 

 

福島で何となく感じていたこと、考えても仕方ないってあきらめていたことを、自主避難先の北九州市で本気で考えることになった。

 

(普通の暮らし20終わり)

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こっから先の話の前に地方公務員法を載せてみる。法律違反が出来たのは、私たちが法律を知らないから。法律違反をゆるしているから。

私も勉強中。頭が痛くなるけどね・・読まないとね・・・


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公務員は法律違反ができないんだよ。


法律違反した公務員がいたら、


部下であっても、上司であっても公務員は人事委員会又は公平委員会に報告しなきゃいけないんだよ。

 

上司の命令であっても、法律違反だったら従わなくていいし、法律違反である旨を報告すべきなんだよ。

 

 

 

地方公務員法


第三十条   

 

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、
且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

 


(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)

 

第三十二条 

 

職員は、その職務を遂行するに当つて、


法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の

 

定める規程に従い、


且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 


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(任命権者とは、公務員の任命、休職、免職及び懲戒等について権限(任命権)を持つ者のことである)

 


(違反行為の疑いに係る任命権者の報告)

第三十八条の三   

 

 

任命権者は、職員又は職員であつた者に前条の規定(同条第八項の規定に基づく条例が定められているときは、
当該条例の規定を含む。)に違反する行為(以下「規制違反行為」という。)を行つた疑いがあると思料するときは、
その旨を人事委員会又は公平委員会に報告しなければならない。

 

 

(任命権者に対する調査の要求等)

第三十八条の五   
人事委員会又は公平委員会は、第三十八条の二第七項の届出、
第三十八条の三の報告又はその他の事由により職員又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、
任命権者に対し、当該規制違反行為に関する調査を行うよう求めることができる。