さあ行くんだ。その顔を上げて。新しい風に心を洗おう。
昨日の夕飯は忘れても、この歌だけは忘れない。
少年の日。
淡い青春の想い出。
ロマン。
宇宙。
科学なのに文学的。
昔日の映画なのに、今日的。
『君の名は。』にハマった人々は、1人残らずコレを観るがいい。
そしてチビってほしい。
なんたる傑作か、と!
ワクワクが止まらないじゃないかと。
蒸気機関車に乗って宇宙の旅。
夢と、復讐心を詰め込んで。
オラ、機械の体が欲しいんだ!と鉄郎(野沢雅子)が言う。
ぃや、オラオラ言ってはいないが、そんな決意。
「鉄郎…」って、メーテル(池田昌子)が言うたびに心臓が破裂しそうに。
こんな宇宙は見たことがないと当時、思ったけれど、今もそう。
大ブームに夢中になっていた中坊時代。
それがだ、スクリーンで再び対面する日が来ようとは。
まばゆくて、儚い!ああ、なんて尊いのか!
一つ一つの星で出会うエピソードは、それぞれが重量感。
ハリウッドならば、一つで一本撮るレベル。
天才・松本零士の作り出したその世界観と造形を、りんたろう監督が彩った。
爆発は猛然たる勢い!表現は、アニメとして完成形。
牛乳で敵を倒す男、キャプテン・ハーロック(井上真樹夫)がカッコよすぎて失神。
キムタクは古代進ではなく、ハーロックをやるべきだった。
クイーン・エメラルダス(田島令子)が毅然としているから、惚れる。
トチロー(富山敬)が泣かせてくるから。
輝くメイド嬢、クレア(麻上洋子)が切ないから。
アンタレス(久松保夫)が勇ましいから。
車掌は、肝付兼太さん。先日、亡くなられてしまった。車掌さんに敬礼です。
かように、惜しみないキャラクターの宝庫。
アニメシリーズではそれぞれに時間を割いていたけれど、映画では早足。
それでも、見事に心に突き刺さる。
そこにゴダイゴの楽曲が!どハマりして興奮が頂点でシュポーッ!
今日でもなお、これほどの映画は本当に少ない。
アニメの枠を超えた傑作ながら、アニメにしか出来ないことを見せてくれる。
未来の話だ。
そこに、人の心を織り込んでいる。
アニメシリーズよりも5歳加齢した星野鉄郎がまた、カッコいい。
勇気と愛と冒険と涙と、ビフテキ。
『エヴァンゲリオン』に引き継がれただろうシーンも多い。
アメコミ映画人も観ている気がする、確実に。
だからね、若者こそコレを観て、手汗ドバーで腰を抜かしてほしいんだ。
こんなに素晴らしい宝石を、中年だけの物にしておいたら、勿体ないから。
今日と明日、秋田駅前のシネマパレで上映してるから。
もしかしたら、フィルムでスクリーンで999の勇姿が見られるのは最期。
発車のベルにはまだ間に合うから。(クサイ
スクリーン(秋田・週末名画座シネマパレ/Twitter)
1979年・日本
監督: りんたろう
監修: 市川崑
原作・企画・構成: 松本零士
脚本: 石森史郎
音楽: ゴダイゴ
ナレーション: 城達也
出演: 野沢雅子、池田昌子、肝付兼太、田島令子、富山敬、久保松夫、麻上洋子、小原乃梨子、柴田秀勝、来宮良子、井上真樹夫、藤田淑子、槐柳二、坪井章子、納谷悟朗
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。