海難1890

『海難1890』 2015・日本 


この史実を知らなかった人も多いだろう。
今は学校での映画上映会などは無いかもしれないが、ロードショー終了後には、是非とも開催して上映して、若者の心に刻みたい。

ぃや、老若男女が今こそ観ておけ、この映画を。
まだ、かろうじて間に合うはずだ!
またもや、今頃になって激推しするトンマ(当方)で恐縮です!

1890年、海難事故に遭い、未曽有の被災者を出したトルコ軍を日本人が救助した。
実話である。
和歌山沖であった。

ズブ濡れで助け合う人々の光景に、その心意気に、東北大震災もダブる。
海難シーンのスペクタクルは迫力で、人々の必死さには胸を打たれ。

そして、だ。
この史実が稀有なのは、そこから先の物語である。


日本トルコの合作であり、トルコ人俳優ケナン・エジェがカッコよい。

日本人キャストも手堅く、内野聖陽、笹野高史はもちろん。
忽那汐里と夏川結衣が光っており、頼もしい。

さらに素敵なのは、エキストラの1人1人までもが実に良い表情なのだ。

田中光敏監督は、古典的な題材に新しい勢いを注入。
色彩やシーンの衝撃度に、度々ハッとなる。
音楽が冗長にも思えたけれど、それでも折に触れて涙が流れてしまった。ホロホロと。


当方は、日本の美談を声高に叫ぶと非難されるような、奇妙な風潮の中で育ってきた世代だ。
だが、日本人が日本を認めなくてどうするのだ。
母国を誇れない人間に、他国を敬うことなど出来るわけがない。

後半は、あの快作ハリウッド映画も思い出した。
緊張感の中に、観やすさという、幅広い世代向けの親切心もある。

何より、ここには人間がいて、心がある。

知らなければいけない歴史があるとしたら、これだ。
どの国にも美談はあって、どの国にも過ちがある。
美しい話を語り継ぐ。
今回のトルコだけでなく、それは、異国間の敬意に必ずや繋がる。と、強く思う。

しかも、だ。
この映画は面白い。


海難1890


映画 スクリーン

[関連作品]
内野聖陽 『家路』『悪夢のエレベーター』



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