仮面ライダー555 パラダイス・ロスト

『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』 2003年・日本 


仮面ライダーを卒業して数十年。
最後のライダーは、たぶん、アーマーゾーン!
だから周囲から、コレは超傑作だと薦められようともガン無視。
ぃやいや、ライダーでしょ。
観ない観ない。

そんなことをホザいていた阿呆は誰だ。当方です。

2015年の収穫を挙げるならば、『仮面ライダー555(ファイズ)』だァ!と大声で叫びます。
そして「近所迷惑デショ!」と、今作キャストの啓太郎に怒られたい。そんな気持ちでいっぱい。

ここから、『仮面ライダー555』(以下、ファイズ)の素晴らしさを語ります。
そして未体験の方に知っていただきたい、お付き合い下さいお願いです。(必死)


ファイズは、いわゆる、ライダー界における約束事を大破壊。
前提をまるで無視。

ライダーとは、何なのか。
ライダーは何と戦っているのか。
ライダーであれば、正義なのか?
敵であるオルフェノクは、悪か?
敵とは何なのか。
彼らは、どうして戦っているのか。

昨今、ハリウッドではヒーロー像の再構築が進んでいるけれど、日本は先んじてきたように思う。
ファイズは、ヒーローVS悪役の構図を白紙に戻した。
結果、痛切な、人間の根源に迫るドラマが出来上がっている。

人間の、人間性への疑問。
ああ、なんというチャレンジですか!


半田健人をはじめとするシリーズのメインキャストたちは、シリーズ開始時には、気絶するくらいの棒演技。
綾野剛も、まだヨチヨチ歩き。
が、彼らが徐々に上手くなっていくから、視聴者は応援団の気持ちに。

中でも、ホースオルフェノクを演じた泉政行は純粋に見え、とても切ない。
昨年、病により35歳の若さで亡くなってしまったことも、役柄の葛藤がダブり、とても切ない。

井上敏樹の脚本は笑いあり、苦悩あり。
ライダーベルトの創意工夫も、変身過程も、敵陣・オルフェノク(↓下に画像あり)の造形も独特だ。

劇場版の田崎竜太監督は、TVシリーズもメイン演出。
新人俳優たちが拙くても、作品の質には影響しないと思い知らされた。


この劇場版は、TVシリーズの放送期間に公開されたので、本編には関与しない時間軸。
登場人物たちが各々、テレビでは出来なかった願望を達成。
なので、終始、微笑ましい。
いわゆる、ファンムービーに近い。よって、満足。

ファイズ・シリーズでは、劇中で「仮面ライダー」という名称も使われていない。
ここには、大人の本気が詰まっている。
ヒーローを描いて、人間とは何かを深淵から抉り出す。
そこに輝くのは、友情だ。

ああ、なんたる傑作なのですか。



仮面ライダー555
© 2003 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映


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