『バクマン。』 2015年・日本
漫画だ。
漫画である!
オープニングから失禁するほどに、漫画。
躍動する映像はどんどん加速して昇華して、気づけば放心。
ああ、映画でしか描けない漫画だ!
少年ジャンプのページをめくるみたいにパラパラとシーンが展開して。
漫画の一コマ先を、ワクワク読み進むように場面が変わる。
『デスノート』を生んだ大場つぐみ・小畑健による超絶面白漫画『バクマン。』の映画化。
あの分量の物語を2時間にまとめるのだから、エピソードの取捨選択が重要になる。
ところが、なんということか。
絞り込まれた話の組み立てで、各キャラの色味はもちろん。
焦点を明確にしたことで、映画として実に優れた作品になっているのだから、こういうことだ、漫画の映画化って!
と、声を大にして言いたい!
鑑賞前は、逆の配役じゃないかと訝しんでいたことを謝罪します。
佐藤健は、まさしく真城最高であり、
神木隆之介は、まさしく高木秋人だ。
それが、神木きゅんの最初の数分で分かるのだから!
新妻エイジ役の染谷将太、福田役の桐谷健太、平丸役の新井浩文、中井役の皆川猿時がもう、漫画そのもの!
各キャラクターの旨味がぎゅうぎゅう!スピンオフが観たい。
服部役の山田孝之が、微に入り細に入りの芝居巧者で。
編集長役のリリー・フランキーがまたしても良いので、洩れる。
小豆役の小松菜奈の眩さには、クラクラします。
叔父さん役の宮藤官九郎には、惚れ惚れします。
映像効果は主にCGだけれど、これが漫画になっているから素晴らしい!
セット美術も実に楽しく、小道具のこだわり度も相当。
大根仁監督(脚本も)は、努力する天才かと思う。要するに、この物語の登場人物たちと同じ。
大根イズムなカット割りは漫画のコマ割にも近く、そこに音楽が乗っかるのだから。
このリズム感は、世界で大根監督だけ。
漫画家を目指した2人の高校生が挑むのは、週刊少年ジャンプ。
ジャンプを舞台に始まるバトル。
だから当然、幅広いジャンプ世代は胸バキューンな世界。
小ネタも愉快で。
中でも、編集部でのアレコレは興味深い。
私事ながら当方、漫画ではなく小説だったけれども似た経験があり、感慨もひとしお。
漫画少年・少女であれば尚更。
そうでなくても、きっと、この漫画愛に浮かされる。
夢中になって、必死になる。
その輝きが躍っているから、映画『バクマン。』は―
って、この先は皆さまの目でお確かめ下さいませ。
原作未読で大丈夫。
エンドロールまでワクワクな映画『バクマン。』、本日より公開です。
スクリーン(試写会)
[関連作品]
大根仁監督 『モテキ』
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