ダイゴロウ対ゴリアス

『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』 1972年・日本 


元祖ゆるキャラ。

ご覧ください、この表情。
向かって左がダイゴロウで、主人公で怪獣と名乗ってはいるものの、あどけない。
ダイゴロウというくらいなので、子供設定。

後ろに立つ鬼の形相の白髪が、自分を見るようで辛い。
こちらが母親。
体重、2万トン。
どうやって測ったのか。
ダイゴロウは父親似だろう。
肌のヒダヒダがレディガガ風なのだけれど、そこだけが遺伝している。

その母を亡くしたダイゴロウを日本政府が保護するのだけれど、金がかかるねー。
何しろ、食うからねー。
あの巨体だから、子供とはいえ、怪獣だから、予算がねー。
閣議で了承、下りないよねー。

で、ダイゴロウはゴリアスと戦う。
と、そういう話。
大幅に端折りました。


三波伸介が主演というので、ダイゴロウ役かと思ったら違った。
若い。ドランクドラゴンの塚地武雅に激似。
まだ、世のお父さん連中にマルを配り始める前。真剣にフザけてくるから、強敵だ。

三波伸介が樽状態なので、犬塚弘がシュッとして見える。
ニートの先取り。夢というのは罪だと、身をもって教えてくれる役。

小坂一也が、モテない石田純一に見える。
小林昭二はこの頃、何にでも出ているなあ。

飯島敏宏監督は、あの!バルタン星人の生みの親!
子供の心を忘れなかった人だ、ということがよくわかる。
ダイゴロウの数多のギャグに、軽い眩暈。まさに、童心。


タイトルの「大奮戦」からも分かるように、とにかく皆が奮闘。
出てくる大人も頼りない。
国の一大事への対策を、一介の小市民たちが話し合い、決めてしまう。
なんという恐怖か。

子ども達も頑張る。
怪獣が暴れる間際で応援。
なんて危険なことをさせるのか。

そういう危機感のアレコレはいっさい、スルー。
終始、あったかい。
ゆるい。
ぬるい。
だからここには、夢がある。

マザー怪獣の暴れっぷりは、さすが円谷プロ10周年記念作品、ちゃんと迫力もあり。
ジオラマも丁寧な作りであり。
スクリーンの幅が小ぶりで、フィルムが非常に美しいので、まるで大画面4Kテレビで観ている気持ちに。
どうして自分は今、これを観ているのだろうと、そんな気持ちに。

たぶん、あったかくなりたかったんだな。
な、ダイゴロウ。って、思いました。



映画 スクリーン(秋田シネマパレ



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