$世界映画博-カリフォルニア・ドールズ

『カリフォルニア・ドールズ』 THE ALIFORNIA DOLLS/...ALL THE MARBLES 1981年・アメリカ 


これほどの傑作を30年間知らずにいた。
その間、鼻くそをほじりながら生きてきたけれど、この輝きは当方を待っていてくれたのだなあと瞳に星が浮かんで消えないので、ご迷惑すみません。

ゴリゴリの男臭さで描く、女の生き様。
面白すぎて、卒倒寸前。
興奮しすぎて、ロープロープと手を伸ばす始末。

そして、どうしよう、どうしましょう、今頃になって涙が溢れてくるので困る。
胸が発火しそうで、ああ、もう熱中症寸前。


最高にゴージャスで、最低に生きている。
女子プロレスラー+マネージャー+アメ車で、アメリカ大陸縦断ツアー。
全員が、ボロボロ。
金は無い。
夢がある。

必死にもがいて、のたうちまわって、その輝きに向かって車は走る。
泣いて喚いて、怒鳴って抱き合って。

あああぁぁぁ、この鳥肌はどうだ!


マネージャーの、いかんともしがたいキャラクターに悶絶!
演じるピーター・フォークがセクシーで、至高の芝居。大変なバカヤロウが確変するインパクト。

黒髪のヴィッキー・フレデリックの情熱。
ブロンドのローレン・ランドンは、ももクロのピンク似。可愛らしいド迫力。
この2人の身体能力がすさまじく、実際にプロレスをしているから驚く。
両者ともに、今作が代表作。
とっても素晴らしい芝居であり、試合である。

ビッグママがでかい。

『ロッキー』のダメ兄ポーリーが大出世。演じるバート・ヤングのブレなさには、感嘆。

昔、日本にも女子プロレス全盛期があって、当方はどっぷりその世代。
ミミ萩原&ジャンボ堀の登場にはテンションMAX!やはり身軽!
あの時代の物語なのだなあと、大変な郷愁。

ザ・男映画の雄、ロバート・アルドリッチ監督の遺作である。
最後に描いたのが女の意地とは、感慨深い。
一分のスキもない演出。この人の魂の熱で、スクリーンが焼ける。


紙に書かれたセリフとは思えない。
心が汗だく。
無謀な男、無茶な女。
全部を混ぜてぶん投げて、馬乗りになって両手突き上げた先に見える光景。

強い、そして弱い。
人間を丸ごと許してくれる、この映画の精神は神よりも寛容ではないか。

音楽の権利問題でDVD化できないとは、なんたる損失だろう。
スクリーンでしか観られない楽園。
男にはロッキーが、女にはカリフォルニア・ドールズがいる心強さ。

まだ観ぬ数多の映画が我々を待っている。
まずはこの余韻に浸って生きよう。



映画 スクリーン



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