$世界映画博-グランドマスター

『グランド・マスター』 一代宗師/THE GRANDMASTER 2013年・香港 


つまらないと評判の映画を、面白いと言いたい。胸も張りたい。

予告編では、カンフー大会であった。
全然、違う。

これは、カンフー・マトリックスではないか。

スーパースロー・カメラが捉える雫と、衣擦れ。
ほうっ・・・と、感嘆。
『マトリックス』の武術師ユエン・ウーピンが振り付けた効果で、華麗な対戦。
絵画のような、写真のような、なおかつ高度な動画である。美しい。

従来のカンフー映画を「格闘」とすると、今作は「型」である。
いわば、武道における模範演技。
各武術の特色が一目瞭然。

受けの詠春拳、
光速で舞う八卦掌、
真っ直ぐ踏み込む形意拳、
一撃必殺の八極拳、

その違い、攻撃力、流派の誇りが色彩も鮮やかに描かれる。


そもそも、ウォン・カーウァイ監督が、バリバリのカンフー映画を撮るわけがない。
低評価は予告編、プロモーションのミスリードだろう。良作なのに、残念。

イップ・マン役のトニー・レオンはアジアのスターであるのに、引きの芝居に好感度。
ドニー・イェンの『イップ・マン』とは違うけれど、今作ではこれで正しい。

すべてを手に入れる女優、チャン・ツィイーの肌はどうなっているのか!
歩くフォトショップか、CGかと疑うレベル。ツルッツル。

カミソリ役のチャン・チェンが、成田三樹夫の生まれ変わりすぎで、漏れそう。
初見かと思いきや、キム・ギドク作品『ブレス』の死刑囚や、サントリーCMにも登場していた。台湾バンザイ!


従来のカンフー映画を期待すると、コレは違う。
カンフーの歴史に忠実に、拳法を主役に据えた映画である。

ヤクザ抗争のような、マフィアの物語のような。
拳法を伝え広める心意は川の流れにも似て、合流したり、分かれたり。
ファミリーのストーリーであり、ヒストリー。
だから、面白い。

そして今、紅一点の八卦掌を練習中。手首が捻挫する5秒前。

なお、当記事の拳法解説は、亭主(幼名カンフー・バカ)が激語りしているのをカンニングしました。
ちなみに「カンフー」は広東語でエロい意味があり、「クンフー」が正解。



映画 スクリーン



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