$世界映画博-脳男

『脳男』 2013年・日本 


どうしてだろう。
日テレ製作の映画には、マニュアルでもあるのだろうか。と、ド素人が愚考。

いわく、幅広い層に観てもらえるように、カメラは固定で、人物は引きで撮って、監督の個性は無用、的な。

いつも、誰が撮っても同じような印象。
他TV局の映画と比較するに、個性が薄い。気がします。

おそらく、弩級のサイコ・バイオレンスにできない事情もあるのだろう。
それでもこれほどの題材があって、俳優も好演しているのに何という勿体なさだろうか。


生田斗真は体が凄すぎて、肩付近に異常な筋肉の盛り上がり。
『アジョシ』のウォンビンそっくりながら、白目も良くて好演。

松雪泰子は安定飛行。
光石研を、マイレージを使う前にまた目撃してしまった。
山崎ハコと甲本雅裕が効いている。

江口洋介は、一見デキる男なのに実は全く使えない、という人物をやらせたら右に出る人がいない。

二階堂ふみは交際発覚記念。リスベット風女子をよく演じていた。いつも染谷将太とペア出場。


原作を大いに割愛した脚本は『八日目の蝉』の成島出であった。共同脚本なので、単独でなかった理由があるのかもしれない。

日本テレビ製作の作品は往々にして、手抜きの風味がする。『妖怪人間ベム』しかり、『ごくせん』しかり、だ。
瀧本智行監督の力量もわからない。

非常にユニークな素材であり、いかようにも面白く作れるのに、平凡を選んでいる。
照明プランやカメラワークの選び方も、寂しいような。

映画にリズムを持たせるには、シーンの間を詰めるのが手っ取り早い。
スピードが有効な題材で、終始、俳優の「間」に任せると画面は間延びする。
そこで、編集で勢いを出すのだけれども、そこも足りないような。どうでしょうか?

もしや、使える時間とカメラも足りない疑惑だ。


先天的な能力を持ち、後天的に鍛えられた超人が主人公。
であれば、もう少し。ひと踏ん張り。

突然、エンドロールであの色味にするのなら、最初からザラザラ感も欲しい。
映画作りにはセンスが必須。
と、ニッセン100円パンツ愛用のセンス・ゼロ・ババア(当方)には言われたくないだろう。



映画スクリーン



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