![$世界映画博-監督失格](https://stat.ameba.jp/user_images/20130131/13/kitaco127/fa/6c/j/o0350049412399289292.jpg?caw=800)
『監督失格』 2011年・日本
全ての言葉が陳腐に思える、こんな現実の前では。
号泣してしまったが、まだ足りない。
これから先、何度も思い返すだろう。
女と男が出会って、愛が生まれて、それ以上の何かがこぼれ落ちる。
111分間のドキュメンタリーに凝縮されたのは、2人の時間。
家族の時間。
生きていた証。
女は、林由美香という。AV女優だった。
男は、平野勝之という。AV監督だ。
実在の方に対して誠に失礼ながら、とにもかくにも平野がどうしようもない。
平野が問う。
由美香が答える。
なんという馬鹿野郎だ。お前がそれを訊くのか。女を何だと思っているのか。
そう呆れた序盤が懐かしい。
気づけば、共感の底なし沼。
とても無様。それが人間。
お互いの生まれてきた意味を、お互いが持つ。そんな相手に出会えた幸福。
プロデュースの庵野秀明がかなり編集に口を出したせいか、平野勝之監督のワザなのか、ドキュメンタリーとは思えない物語性。
かといって、事実を捻じ曲げているわけではない。演出過剰でもない。
殊に、由美香ママの人物像が格別。
音楽は矢野顕子。サポーターには井口昇の名前もあった。
センセーショナルな事件が発端で、平野監督は非難も受けた。責められもした。
外野の人間はなじる前に、まずはこの作品を観るべきだ。
平野がいつもカメラを携えていたのは、彼が映画監督だからだ。映像バカだからだ。
つまづいて、うずくまって、立ち上がれなくなった人間がここにいる。
歩き出そうとして、暗闇を探る。そんな時、人は何に縋るか。
自分が信じたものに縋るより、他にない。
大馬鹿野郎がこんな映画を作った。この作品は、素晴らしい。
『127時間』で得たのと同種の高揚感。
平野が問いかけた。
由美香が答えた。
あの言葉は真実だったと、今は思う。
平野勝之監督には心から、がんばってほしい。あなたはもう、馬鹿野郎じゃないです。
![映画](https://emoji.ameba.jp/img/user/uk/ukilico/426677.gif)
ポスターも秀逸で、今回はいつもよりも大きめで。
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