$世界映画博-カラスの親指

『カラスの親指』 2012年・日本


騙されて気持ちが高揚するのは、良作映画の常。
この快感は久しぶり。

やられた!と、えええ!と言いながら、ニヤニヤ。

しかも、映画館を出て、あれはこういうことか?
などと話し合っていたら、ああ、あそこもか、ここもかと気がついて、ごった返すイオンモールを歩きながら泣いてしまったキモいババア(当方)。
すれ違った方には御目汚し、すみません。

なーんてことない映画かと、もちろん人情は伝わるけれども、ごく普通だなあと思っていたのだ。
香港映画は元より、ハリウッドであれば脚本持ち出し厳禁だろう。

こういう詐欺は、三つ指ついて大歓迎。


阿部寛は笑い担当ではないのに、スキあらばフザケようとするので素敵。
ドラマ『ゴーイングマイホーム』も品質的に絶好調。視聴率以外のモノサシを、そろそろ導入してほしいところ。

能年玲奈が可愛すぎ。映画を引っ張る。クドカンの朝ドラも期待。
小柳友が楽しすぎ。父・小柳トムのお笑いDNA健在。しかもイケメン。

石原さとみが可愛すぎ。ただ、今後も脇役で登場するならば、もう少し頑張りたい。脇には、主演以上の演技力や空気感が必要になる。さとみなら出来る。当方は誰なんだ。

とにかく、村上ショージがよいのだ。
キャスティングの妙。とてもいい芝居。この人だから成り立った作品。

伊藤匡史監督を初体験。
ゆったりで、緊迫感もそんなに無く、まあまあ。と思っていたら、ある瞬間、景色が一気に色づいた。油断させられていたのも、すべて計算だとしたら怖い。

BS日テレドラマ『背の眼』でお見かけした道尾秀介の原作。この人は少年のよう。なのに騙してきやがる。嬉しくてたまらん。


人と人が繋がることに理由はなくて、互いを思う心の一点のみ。
5人の男女が出会って始まる詐欺のお話。

掛け値なし、老若男女にオススメできる。
これからご覧になる方が羨ましい。

もう一度観たら、最初からホロリとこぼれてしまうと思います、涙がホロリと。



映画スクリーン(TOHOフリーパスポート)


ブログランキング・にほんブログ村へ