$世界映画博-千年女優

『千年女優』 2002年・日本


秋冬アニメ祭り第二弾は、当方のアニメ監督No.1。


初めて観たのは数年前。
初見では、なんじゃこりゃであった。
振り回されて振り落とされて、ただただ美しかった。

今回観たら、面白さに卒倒。
笑ってときめいて、時間のネジれに絡み取られる。圧倒的な物語。


時空を超え、恋する人を探し追いかけて、疾走し続ける女優。
生涯、一つの恋を求めて生きる。
スクリーンの中と、撮影現場と、歴史と今。
真実と虚構がナイマゼ。

壮大な流れの中で、ただただ追いかける。
駆け出す。走り出す。
いつもいつも、思うのは彼のこと。
艶やかな衣装に包まれて、揺るぎのない瞳で見据えるその先。凛々しさたるや溜息。


女優を演じたのは年代によって荘司美代子、アラレちゃん小山茉美、折笠富美子。継投がとても自然。いずれも、豊かな声。

インタビュー役は、今監督『妄想代理人』でも活躍の飯塚昭三。いわき市出身。彼の地に暮らした当方は親近感。
最高すぎる!面白みと温かみと、深さ。

恋の相手は山寺宏一。なんというイケメン声!あの風貌を知っているのに、ときめく。驚異。山ちゃんマジック。

スクリーンを彩る平沢進の音楽。
今までyoutubeで誤魔化していたけれども、CD購入。届くまで、youtubeで聴いている。すみません。


今更ながら、どうして死んだんだ、今敏監督。
この人の絵は凄まじいのである。
ストーリーは毎度、狂気と紙一重の世界。その美しさたるや。
ゾクゾクとさせて、ワクワクと鐘を打ち鳴らして、気づくと心を羽交い締め。

後半、ずっと鳥肌。
鳥肌が立ちすぎて鳥になるかと思った。奇病の一歩手前である。


一人の女優の狂おしいまでの恋に連れられて、時代を駆ける。
こんなにも、日本という国を感じる作品であったとは。

その伝説の女優は、藤原千代子という。
彼女の出演作品が観たいと思う。
映画という世界は虚構であって、真実。それをまた、知った。


ドリームワークスによって世界公開された本作。
今敏監督の遺品は、凄まじい輝き。



アニメ映画祭開催中の秋田シネマパレさん、いつもながらありがとうございます。



映画スクリーン


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