$世界映画博-ラブリーボーン

『ラブリーボーン』 THE LOVELY BONES 2009年・アメリカ・イギリス・ニュージーランド


無作為に選んでいる映画であるのに、続けて数本、関連性があった。ということ、ありませんか?
当方、たまたま観た3本で、いずれも少女が犠牲になった。


今作、心霊である。
殺人でもある。
悲しい悲しいお話かと思ったら、そういうことでもない流れ。
どちらかといえば、ポップ。リアル、なおかつ、ファンタジー。

まったり展開になって、もしやツマラナイ疑惑・・・と思うと、ちょっと引き寄せられて身を乗り出すと、微妙になる。
幼児並みのテンションの上下なのだけれど、最後まで観てしまえるのは力技。

リアル部分は、迫真。迫力。
ファンタジー部分の、もどかしさ。
オズやアリスも想起されるのだけれども、情緒に流されすぎにも見える。


少女はシアーシャ・ローナン、可愛らしくて上手い。芝居のカンもいい。
この子でキャリーを観たかった。

妹のローズ・マクアイヴァーが後半、確変。頑張る。

父親がマーク・ウォールバーグ、母親がレイチェル・ワイズ、祖母がスーザン・サランドンとなかなか豪華。

スタンリー・トゥッチはどこかで見たような男を演じていた。この、どこかで見たような、という普通度は要かもしれない。

135分という長尺で、どうやらスタジオも口を出せずに、好きなように編集している監督はいったい誰なのか。
と思ったら、激ヤセ王、ピーター・ジャクソンであった。
そういえば、リアル部分は『乙女の祈り』にも似た焦燥感。
ファンタジー部分は、『ロード・オブ・ザ・リング』にも似た冗長感。


娘を殺された家族と、殺されてしまった娘。
おそらく監督の肝なのだろうけれど、重ね重ね、ファンタジー部分に割いた時間が惜しまれる。

などと、観た直後は思っていたのだ。
鑑賞してから数週間経って、ふと思った。
たとえば、当事者であったらどうだったろう。
当方の家族が被害に遭って、亡くなった者を思う時、本作のような世界にいてくれたらと思うのかもしれない。

しかも、実は極めて直球なのである。
収束は好悪が分かれるかもしれない。
ただ、一方でだからこそ、考えさせられた部分も大きいのは事実。


少女殺害事件は、日本でも多くが未解決事件となっている。
足利周辺の事件を筆頭に、いずれのケースも解決されますように。



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