$世界映画博-プリンセス・トヨトミ

2011年・日本 


いつになったら面白くなるのかなあ。
そう思って観ていたら、

終わっていた。

う~む。


傑作ドラマ『鹿男あをによし』と同じ万城目学原作で、同じスタッフ。
なのに、どうしてこうなった。

このキャストである。
これだけのお膳立てがあって、大人しい映画が出来上がる。
いっそ、その秘技の謎を知りたい。


思うに、セリフの様子がおかしい。
これは映画である。
画で見せてナンボである。
ところが、物語の成り立ちはともかく、状況、心情。
全部、誰かしらが喋ってしまっている。

しかも、前後の繋がりが唐突。
これはどこかで見たような。
デジャヴ感。

首を捻っていたら、、脚本は『東京島』の相沢友子であった。
なるほど。しかし、あの後に仕事が入ってくるのだから凄い。

実はこの人、美人である。
歌手・女優を経ての脚本家である。
美貌は芸を助けるのだ。

ただ、鹿男もこの人なのである。あれは素敵であった。
どうしたのだろうか。
心配になる。


過剰な説明セリフに、ここは役所の窓口かと錯覚する始末。
説明に埋もれているうちに、事態が動く。
これが、ゆったり感。

のんびりのんびり。

錚々たるキャストである。
それが皆、平板になってしまう不幸。

大阪なのに、笑いに飢えてくる。
『東京島』にあった、一周回っての笑いも見当たらない。
これはある意味、俳優陣の実力が高かったことによる、二周回っての不幸。

これで2時間は長い。
休憩してしまった。
トイレに行ってしまった。
本格的に、布団に入って寝てしまった。

う~む。


キャストは充実。
堤真一、中井貴一、岡田将生、綾瀬はるか、和久井映見、甲本雅裕、沢木ルカ、笹野高史、玉木宏などなど。

堤真一の半目演技など、おかしなことも多々あれど、この場合、問題は監督だ。

失礼ながら申し上げて、鈴木雅之監督はどうされたのか。
せっかくのメンバーの力を引き出さない作り。
演出がどうしてしまったのか。
もったいない。
印象に残っているのは、丸刈リータの森永悠希だけ。

しかも終始、セリフに被さるように音楽が流れる。
盛り上げようとしているのか、誤魔化そうとしているのか。
後者に見えるわけなのだ。

ここまで音が鳴ると、監督が脚本を信頼していないのかと不安になる。
他の全員がポカン顔をしていたとしても、監督がセリフを信じなくてどうするのか。


綾瀬はるかの胸ユサユサだけでは、ペイできない。
意図しない笑いというものも、どこにでもあるわけではないのですね。

う~む。



『プリンセス・トヨトミ』

映画WOWOW


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