$世界映画博-山形スクリーム

2009年・日本 


山形スクリーム。

なんというタイトル。
このタイトルのセンスだけで大概のことは許せてしまう。

しかもゾンビ。
山形でゾンビ。

私事ながら当方の居留地、秋田の手前の山形県。
何やら嬉しくなる。

山形の夏というのは、異界なのである。
私事ながら、霊山に登って右半身だけを虫に刺された。50ヶ所ほど。
これが猛烈な痒さ。
完治するまで1年半を要した。

どんな虫だ。
医者に聞いてもわからない。
山にはいろんなモノがいる。と、医者に言われた。

怖い。

この映画、山形庄内映画村で撮られている。
山と藪に囲まれている。
出演者たちの身が心配になる。

怖い。


そんな思い出がチラチラ浮かびながらの鑑賞。

ゾンビであるけれども、間抜けな方であった。
なぜなら、コメディなのだから。
冒頭から笑いのツボが、ほどよいタイミングで押される快感。

ほぼコント。

ここで乗れない人は、たぶんずっと乗れないまま。
乗ってみた当方も、終盤はう~んう~んと、うなされてしまった。
早く終わって~、う~んう~ん、である。

つまらなくはないのだ。
平家の落ち武者伝説の村も『トリック』的で楽しげで、落ち武者の出で立ちもカッコよく、襲われる女子高生+女教師も若さ爆発。

ただ後半、ちょっとグダグダしたような。
ああ、まとめなくていいですよ?
最後までバカバカしさを極めてもらってよいですよ?と思った次第。


この作品、とにもかくにもキャストが豊富。
セリフも無いコンビニ店員に三浦春馬という豪華さ。

女子高生は待ってました、成海璃子である。
『武士道シックスティーン』と、ほぼ同時期。
途中から、力強さが滲み出してきた。
姫ではないだろう、武士だろうと思わせる存在感。
さすが。

桐谷美玲は痩せてはいるが、絶叫は完璧。
波瑠はそろそろブレイクしてよいのでは。

マイコは儲けもの!芸達者ではないか、驚いた。

AKIRAは悪くないのだけれども、今後どうしたいのだろうと心配になる。
久々に、ビシバシステムを目に出来て満足。
クリスタル・ケイの新たな可能性に興奮。
『電人ザボーガー』の井口昇監督も見られてお得感。


そしてこの映画、竹中直人の使い方が実にうまい。
これだ!これである。
『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』の違和感を拭い去ってくれる。
この監督は竹中直人をわかっている。

と思ったら、竹中直人が監督であった。
早く言ってください。


ゾンビの動きは楽しくて、山形の宵闇に悲鳴が響きわたる様は愉快である。
スカッとする。

こうして撮影隊が山形に来て、そこでみっちり映画を作る。
ワクワクとする。

くだらねぇ~と前半笑って、後半う~んう~んである。
こういうの、結構好きで困惑する。

ところで、篠原ともえはどこに出ていましたか?



『山形スクリーム』

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