$世界映画博-怪盗グルーの月泥棒

2010年・アメリカ 


3Dを2Dで観る。
しかも自宅のTVで観る。
この時点で、ちょっと面白みが減っている。
そんな気がする。

たとえば、いろいろと飛び出しているようなのだ。
あ、ここで出てるな?
いま出たな!
脳内補完で観る。

それでも結構、楽しめると気づいた。


冒頭から、かなりの親近感である。
というのも、知らない世界を覗いているとは思えないのだ。
NHK『家族に乾杯』を観ている気持ちになる。

主役のグルーを、笑福亭鶴瓶がアテレコ。
しかも、熱演。
好演すればするほど、鶴瓶になる。
グルーの丸顔に、メガネが無いのがもう不思議。


吹き替えにビッグネームを使うというのは功罪あって、ほとんどが罪である。
『シンプソンズ』の大惨事を思い出して壁に穴を開けても、大家も許すだろう。

本人のイメージが強いキャスティングは、一種の賭けである。
なので今回、鶴瓶という人間がダメな人はダメ。
好きな人は好き。
そんな吹き替え版の仕上がりかもしれない。

当方は好き。
なので、笑顔になった。


ストーリーは意外にも、キュートである。
壮大な計画を、足元から始めているコツコツ感に味がある。

偏屈男と3人の子供。
黄色いミニオンたちの動きや声も、跳ねる音符のようで楽しい。
同居の博士も変人でよい。

時折、構成の間の悪さにオタオタするが、そういうシーンは3Dの見せ場らしい。と気づいた。


敵役のメガネ、声を当てているのは山寺宏一である。
スターである。
顔も声もモノマネも歌も、離婚したこともよく知っている山ちゃんである。

なのに、山ちゃんの顔はチラつかない。
声優なのだから当たり前。
それはそうなのだけれども、単純にこれはスゴい。スゴくないですか?

終始、いけ好かないメガネはメガネであって、山寺宏一ではないのである。
かたや、グルーは鶴瓶である。
鶴瓶のデキは悪くはない。

この違いは何だろうか。


グルーの人相が悪すぎ、黄色い小さな密集がキモい、声優が鶴瓶・芦田愛菜ちゃん、ピクサーじゃないアニメ。
そう思って映画館鑑賞をスルーしたことを、後悔してしまった。
愛菜ちゃんもよかった。
これならば、3Dで観たかった。


思ったよりもずっと、かわいいかわいい、ストーリー。

そしてやはり、山寺宏一は天才。天才。



『怪盗グル―の月泥棒 3D』 DESPICABLE ME

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