1940年製作/130分/G/アメリカ
原題:Rebecca
エポックメイキングになる作品は重い。その存在は限りなく重要である。
『ガス燈』も『羊たちの沈黙』も、その後の流れをクッキリと変えてしまった。ヒッチコック監督は彼そのものがエポックであり、いま私たちが映画においてサスペンスやスリルを味わえているのも、彼がいたからだ。
『レベッカ』は美しい物語である。
いくつもの愛が根底にあって、最後まで誰の思惑で話が進んでいるのか、観客ははぐらかされ続けるかもしれない。これは、結末を想像しながら観るべき映画ではなく、その流れに身を任せて翻弄されながら客席に座り続けるのがいい。
そうすれば、映画史に残るシーンが待っています。
東京生まれのジョーン・フォンテインは可憐で、ローレンス・オリヴィエは含みのある難役を端麗に演じており、ジュディス・アンダーソンの表情は脳裏から離れない。
アカデミー作品賞受賞作。