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ひどい話である。
電車内でわざと痴漢をさせて被害をでっち上げ,取り押さえた男性を警察に引き渡したとして,大阪府警は21日,21歳の男を逮捕監禁と虚偽告訴の疑いで逮捕したと発表した(http://www.asahi.com/articles/ASK6P5K0XK6PPTIL015.html 朝日新聞デジタル「女と共謀、痴漢被害でっち上げ容疑 アルバイトの男逮捕」2017年6月21日)。
女性も男性も満員電車は本当に災難である。
詳細は引用記事をご覧いただくとして,本件のでっち上げ被害の男性が言っているように,真実「女性が同意していると勘違いした」という事例だったらどうなるのだろうか。
刑法38条1項本文は,「罪を犯す意思がない行為は,罰しない。」と定める。
被害者が同意していればもちろん犯罪にならないが,被害者が同意していると誤信(勘違い)した場合も,本人には罪を犯す意思がないから処罰されない。
講学的に言うと,「被害者の合意」という違法性阻却事由が存在しないのに存在すると誤信したため,違法性阻却事由に関する事実の錯誤となり,故意が阻却される。
もちろん「被害者の合意」があったと誤信したと言えるか否かは,行為者の供述だけではなく,被害者の供述その他の関係証拠を総合して認定される。