ランキングに参加しています。
あなたのワンクリックが1ポイントになります。
ポチッと応援よろしくお願いいたします。<(_ _)>


広島ブログ


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

民事裁判においては,当事者は原則として自由に和解をすることができる。

民事裁判において問題になるのは私的利益だから,それを全部又は一部放棄しようがどう処分しようが個人の自由に任せればよいからだ。

だが,日本の刑事裁判においては,犯罪事実という公益が問題となるので,和解という制度はない。

欧米諸国においては,広く司法取引が行われている。

司法取引とは,誤解をおそれず分かりやすく言ってしまえば,刑事裁判において,いわば検察官と被告人・弁護人が和解することを認めるような制度だ。

例えば,殺人は否認するが,傷害致死(殺意なくして暴力を振るい,被害者を死なせること)なら認めるということで取引を成立させることができる。

これによって,被告側は殺人が認められた場合よりも軽い刑で済むというメリットがあり,検察側には捜査や裁判を省力化して他の重大事件に時間を割くことができるというメリットがある。

もっとも,今回法制審議会で導入が検討されている司法取引は,そこまで容認するものではなく,他人の犯罪捜査や裁判に協力した場合に,刑を軽くしたり起訴を見送ったりすることを認めるという限度のもののようだ。

取り調べの可視化を行う反面,捜査機関に新たな「武器」を与える制度とも言える。

具体的には,薬物事犯,振り込め詐欺などの組織犯罪において,末端の者を取引の対象にし,主犯格に関する情報を得てこれを検挙しようというものだ。

司法取引については,刑事裁判は真実を解明するものであるとする日本人の国民情に合わない面がある。

また,重い罪に問われるのをおそれて軽い罪を認める,自分が逃れるために他人に罪を着せるという冤罪を生む可能性もあり,導入には慎重な議論が必要であると思われる。

広島ブログ

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村