3月5日の日経産業新聞に、「結婚式場運営のベストブライダルは挙式・披露宴の費用を業界平均の5~6割に抑えた『楽婚』事業に力を入れている」という記事が掲載されていました。

楽婚とは、「お金がない」「時間がない」「素敵な結婚式がしたい」人の受け皿になる結婚式の形だそうです。、→ http://www.rakukon.com/
文字ヅラから、楽チンな結婚式、楽しい結婚式などがイメージできます。
実際、「楽婚」のホームページでも、「結婚式をもっと楽に、もっと楽しく」とありますから、そのイメージに間違いはなさそうです。
記事によれば、この「楽婚」事業への取り組みは「婚礼需要の掘り起こしのほか、再婚や少人数婚などこれまで取りこぼしていた層の結婚式を手掛けるため」とのことでした。

いろいろな業界の価格破壊は、消費者目線で言うとあたかもいいことみたいですが、必ずしもそうとは限らないと思います。
価格破壊は、大変コストカットの上で実現するわけですから、その裏でどれだけの人が泣いているかもわからないし、消費者にとって本来はしっかりやってほしいところがカットされることがあるかもしれないと思うからです。

お葬式の傾向も、ここ最近でだいぶ変わってきました。
「楽婚」ならぬ「楽葬」という言葉がでてくることなどないとは思いますが、お葬式の流れは結婚式の時代の流れを追っているようにも見えます。
実際、お葬式の不透明なお金の問題は、最近しばしば指摘される問題ではあります。
でも、お別れの式の費用は単なる価格破壊ではなく、大事にしたいところにはしっかりお金をかけて、必要ないところにはお金を使わない…そんな、納得な価格であってほしいと思います。

お葬式は大事な人とのお別れの場。
大事な人との関係やお別れの気持ちを大事にせずに、何を大事にするのでしょう。
そういうことを大事にしないお式では、ちゃんと悲しむこともできないのではないでしょうか。きっといいお別れもできないのではないかと思います。
そういう意味で、私は、お別れの費用は納得の価格であってほしいと思います。