「ななななな、何ですか!?麗しい姫君って!!」

キョーコは驚きと恥ずかしさ…胸がドキドキしている。

「だって見た目が好きなんだろう?だから王子様の真似をすれば、俺のこと好きになってくれるかなと思って。幸いに俺はこういう顔だし。」
「な、何を言ってるんですか!!好きになりません!私はクオンさんが好きなんです!」
「関係ないよ。そんなこと。」
「わ、私の意志は無視ですか!?」
「うん。最上さんが悪いんだよ?俺、頑張ってアピールしてるのに気づいてくれないから。」
「あ…アピール…?」
「そうだよ?食事に誘ったり、誉めたり…なのに気づいてくれなくて…もういっそ告白して無理やりに意識させようかなって思うくらいには…。」
「ツルガサンハ、ナニヲオッシャッテイルノデショウカ…。」
「…困ったな。本当に分からないんだ?だったら、分からせるまでだよ。」

彼はそう言うとキョーコを引き寄せ、キスをした。

彼女は目を大きく開く。

「…好きだよ。最上さん。」

頬を撫でながら、蓮は愛おしそうにキョーコを見つめ、彼女の瞳が揺らぐと目から涙がこぼれ落ちる。

「ほ…本当ですか?本当に私のことが好きなんですか…?」
「好きだよ、本当に。」
「嘘なんて言ったら、本当に怒りますよ?」
「言わないよ、そんな事。」
「敦賀さん…。」

彼女の目から溢れる涙を彼の指が拭う。

「ごめんなさい、クオンさんが好きなんて嘘です。本当は敦賀さんが好きです。」

叶わない恋だから、嘘をついた。けれど、 その必要はもうない。

キョーコの返事を聞くと蓮は一瞬、驚いた顔をしたが微笑むと、

「ありがとう…もう一回、キスしていい…?」
「…はい。」

キョーコは今度はちゃんと目を閉じて、彼のキスを受け入れ、蓮に抱きしめられる。

「でも、どうして嘘なんて?」
「…好きなのは私だけって思ってましたから…。」
「君だけだよ…?気づいてないのは…。」
「え…?ええ!?」
「まあ、いいけど…両思いになれたから…。」
「ご…ごめんなさい。」

どれだけ自分は鈍いんだろうとキョーコは思って謝った。

「謝らなくていいよ。君が鈍いのはわかってたし、長期戦も覚悟してたから。」

蓮は苦笑いする。

「それで振られたら流石に堪えるけど、振り向いて貰えたからよかった。」
「…敦賀さん…。」
「好きだよ、君が。」
「私も敦賀さんが好きです。」

どちらともなく、二人は再びキスを交わし、しばらく二人は抱き合っていた…。



おわり



あとがき

と言うことで五話になりました。

引っ張るのは、ここまでが限界です。私では(^_^;)

それでは、またノシ


ローズ