あるピースがピースにハマった。

「んな、わけないよね!」

かと思いきや、キョーコはピースを投げ捨てた。

「だってコーンは妖精だもの。他人の空似くらいあるし。」

あははと笑う彼女。彼女らしいと言えば彼女らしいが…。

「でも本当に似てる…もしかして先生の息子さんとか…?」

久遠少年を遣る上に参考したのはコーンだ。少なからずどこか似ているだと思っていたが、見れば見るほど、彼の息子なのではないかと思う。クーが言った特徴を思い出すと。

「…でも、息子さん亡くなっただよね…?」

キョーコは誤解しているクーの息子は亡くなっていると。

「あ、でも…ちゃんと聞いたわけじゃないしな…もしかしたら、ただの家出かも?家出でして帰ってこないって言うなら、先生のあの発言も合ってる気がするし…。」

ぶつぶつ言いながら、彼女は腕を組む。

「直接、聞いてみる…?」

キョーコは鞄から携帯を出し、クーの携帯番号を選んでかける。

『Hello』

何回かコール音がしたあと、彼が電話に出た。

「…もしもし。最上キョーコです。」
『…!キョーコか!!どうかしたのか!?』

大変嬉しそうにクーは聞いてくる。

「あの…突然なんですけど…。」
『なんだ?なんでも聞いてくれ。』
「息子さんは…生きておられますよね…?」

かなりドキドキしながらキョーコは聞いた。

『…生きてるに決まってるだろ。勝手に私の息子を殺すな。』
「す、すみません…。」
『…急になんだ?そんなことを聞いて。』
「いえ…あの…先生の昔の映画を見ていたんですけど、ある場面に凄い綺麗な人がいたので…もしかして息子さんかな?なんて…。」
『…!』

電話越しの向こう。クーは驚いて目を見開いた。確かその映画のクオンの登場は数秒だ。普通なら見逃す。彼がどんなに美しいと言っても…。

『…キョーコ。』
「はい?」
『私の息子にあったことあるか…?』

ない、はずだ。そんな偶然あるわけがない。

「…?先生の息子さんにお会いしたことなんてありませんよ?でも…。」
『でも…?』
「…息子さんにそっくりな男の子なら、子供のときに会ったことがあります。」
『…!?』
「10年前、季節は夏で…京都の小川で会いました。とても綺麗な男の子でした。先生には話してなかったんですけど、その男の子を基本に久遠少年を作ったんです。」
『…!!』

もう確定だった。息子ほどの美貌をもった人間など、そうそう居ないし、10年前に自分は息子を連れて確かに日本に帰国していた。

(…こんな偶然あるのか…?)

クーは偶然とは思えなかった。

最早、運命と言えるくらいに…。