社長のこと、ローリィ宝田は、あることを目論んでいた。

彼の目の前には、エジプトの像。

「よし、俺はこれに入って参加するぞ!」

どうやら、これは中が空洞になっているらしく、男一人は入れるようだ。

サワラにゲリラ参加しないでくださいと言われたからだろうか?

一人、ひっそりとローリィらしくなく、これに隠れて参加するようだ。

どうやら、よっぽど参加したいらしい。

「いざ、出陣だ!!」

ローリィがそう言うとアラビアンの格好をした“セバスチャン”が、どこからともなく出てきて、像を一旦倒して、そこにローリィが入ると彼ごと像を立て直した。

「どうだ!?像に見えるか!?」
「はい。どこからどうみても像でございます。」
「そうか、そうか!!」

“セバスチャン”の言葉にローリィは気をよくしたようだ。

「よし、いくぞ!」
「はい、旦那様。」

こうして、2人はパーティー会場に足を踏み入れれば(セバスチャンは特殊能力?のおかげで誰にも気づかれない)

(お…!蓮がいたぞ!)

蓮が一人に囲まれていたが、

(うん…?アイツ、なんで怒って…。)

長年、蓮を知っているからか、笑顔の下にあるものを感じとる。

(…ああ!そういうことか!!)

ローリィは原因がわかった。

原因は、一瞬分からなかったが、共演者の男性にエスコートされたキョーコだろう。

(…しかし、嫌なら引き剥がせばいいものを…。)

ローリィから言えば、引き剥がせばよいものなのに、蓮が笑って耐えているので呆れていた。

(…うん…?)

するとキョーコが男性と何かを話していて、

「この純潔を!生涯この純潔を命かけて守りぬくって!!」

彼女がそう叫んで、

(あ…。)

ローリィは見逃さなかった。

蓮が破顔したのを…。

その後、蓮はキョーコを連れ出したので、ローリィも移動して、

蓮とキョーコを見て聞いていた(29巻詳細。)

そしてパーティーは終わったのだが…。

「何故だ…何故、誰も気づいてくれない!?」

目立つこと大好きなローリィは誰も気づいてくれないことに嘆いた。

そして、もう遣らないと決めたのである…。


しかし、実際は。

何人かに動く像として気づかれていたのだが、

気味悪いため、みないふりをされていたと言うのが真実である…。