2ストビーノ5auの発進加速不良と登りでのパワーダウン対策!これで完結(チョークだったよ原因は) | 一石、月夜に(無駄)吠える。

2ストビーノ5auの発進加速不良と登りでのパワーダウン対策!これで完結(チョークだったよ原因は)

ビーノ君の加速不良は、さかのぼってブログを読むとH13年6月からあれこれ悩み始めています。

すでに2年以上、走行距離にして1万キロ以上の試行錯誤でした。

そうです、試行錯誤ももうこれで終わり。

やっと、原因が判明しました。

嬉しいというより、なんか体の力が抜けるような、ヘロヘロな感じです。

夜中にフッと目が覚めて、眠れずにいろんなことが頭の中を駆け巡っているとき、突然思いついたんです。
そうか!これかもしれない!きっと、これが原因だ!
そんな不思議な体験でした。

前置きはこれくらいにして、では本題です。

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「ビーノの加速不良の原因は、チョークだったヨ!」


チョークの構造をおさらいしましょう。

2ストビーノチョーク劣化

チョーク(正式にはスターター)は、上の写真のようにキャブレターに取り付けてあります。
カバーを引き抜き、ビス1本をはずすと、スポッとはずせます。

エンジンが停止しているときは、チョークの中にある膨張体が縮んでいて、下図左のようにニードルが上昇していて、いわゆるチョークが効いている状態です。
この状態でエンジンを始動すると、チョークに電流が流れ、中の膨張体がニードルを押し下げ始めます。
(イグニッションをONにするだけでは電流は流れず、エンジン始動によるジェネレーターから給電する構造です。多分、バッテリーの負担軽減のためでしょう。)

この状態では、ニードルが上がっているため、エアーもガソリンもフルに流れて、濃い混合気がキャブに送られ始動性を助けます。
その後、電流が流れ続けることにより、下図右のように膨張体は徐々にニードルを押し下げ、最後には完全にエアーの流路もガソリンの噴出し口もふさぎます。
つまり、チョークの機能がなくなる状態です。
エンジンをスタートさせて、膨張体が完全に延びきるまでの時間は、大体5分から10分くらいのようで、その間、徐々にニードルとピストンが伸びることで、始動だけでなくその後の暖気が済んでない段階でもスムースに走行することが可能なのです。

(手動式チョークのように、少しずつチョークレバーを戻す熟練ライダーの技量は、不要なのですね。
チョークという特殊な状況を停止時に稼動させて、走行時には止めてしまうという、まさに逆発想のアイデアです。それに、エアーだけを調整するバタフライ式チョークではなく、エアーもガソリンも微妙にコントロールする、まさにサブキャブレターなのです。)


では、私のビーノの不調の原因は何だったのでしょうか。
発信加速と登りのパワーダウン、その原因は、
チョーク不良を主因とする複合的なセッティングミス
だったのです。










 

答えを先に書きましょう。
上の写真のように、チョークニードルの根元にあるパッキングが劣化してガソリンが噴出するの穴を完全に遮断することができなかったのです。
17年の間に、たった5mmのゴムが劣化するのは、考えれば当たり前。
チョークを分解したとき、そういえば赤いワッシャーの破片のようなものがあったような記憶があります。
しかし、スラッジとしか思えないほど細かくなっていて、走行性能を決定的に左右する重要なものだったとは、夢にも思いませんでした。

チョークがまともに機能せず、変な混合気を送り続けている以上、どんなにジェットやらエアアジャストを調整しても、全く意味をなさないことは明白です。

(いろんなサイトに「チョーク不良はあたりまえ」って書いてありますけど、対策としてチョーク機能を殺しましょうということで、ニードル単体を突っ込んで固定とか、ピストンのバネを切って云々などでは、結果として劣化したパッキングでの密封はかなわずガソリンがダダ漏れし、対策にはなっていないのです。シリコンで埋めてしまえって言うのはOKかも。)

ということで、パッキングの再生です。
しかし、残念なことにこのゴムの単体はメーカーでは用意されておらず、1万円以上もするチョークユニットでしか取り寄せができません。
(商売上手すぎ!)
さて、直径5mmのゴムパッキング、どうしましょう!?
ホームセンターでゴム板を買ってきて、5mmポンチで切り抜くか?さてさて、どうしよう。
私の場合は、実は、オーディオ部品とか売っている電子部品屋で10個入り180円のインシュレーターを流用しました。
写真下段がそれです。
ピストンにツライチになる厚さが必要ですが、受け側の穴が少し出ているので、少しの誤差は大丈夫のようです。ツライチにならない場合は、2枚入れましょう。




これでチョークの物理的な対策は完了ですが、
このあとのストロークの調整がもっと大切です。


2ストビーノチョーク劣化

チョークをキャブに取り付け際に、伸びきったニードルが完全にガソリン噴出穴をふさがなければ意味がありません。新車時には、キチンと調整されているのでしょうが、ゴムパッキングの劣化だけでなく、経年によるストローク長の変化も発生しているはずです。

画像の上段のように、エンジンをかけてニードルが十分に伸びきった状態の固定部分からゴムパッキングまでの長さ(L1)を計ります。
次に、キャブ側の固定面からガソリン噴出穴までの長さ(L2)を計ります。
ニードルはピストンの中のスプリングで5mmほどサクションして穴を押し付けますから、チョーク側(L1)が2~3mmくらい長い必要があります。

もし長さが違うようであれば、画像下段のようにチョークの上部を回して調整します。
(チョークを取り付けた状態でもこの部分は1回転弱は回りますけど、これは夏用や冬用の調整か、または、経年劣化したマシンの調整用なのかもしれません。)

ココで大切なことは、チョークが温まってニードルが完全に伸びきっていることが重要です。
つまり、エンジンをかけた状態でこの調整作業をする必要があります。

また、他のサイトで言われているように、膨張体が機能していない場合は、当然ですがこの方法は当てはまりませんが、単純構造の膨張体が壊れることはまずありえないと思います。
もし、通電しても膨張しないのならば、カプラーかチョーク内部の接触不良が原因ではないでしょうか。

それともう一つ、チョークに取り付けてあるOリングの交換も必要です。
私のビーノは、完全に千切れていました。
これが劣化すると、そこから空気が入ってきて、ガソリンは遮断しても燃調は狂ってしまいます。



これで、チョークの修理は終わりです。
キチンと組み付けて、今まで苦労したキャブのセッティングをあらためて行いましょう。
組み付け時の注意点ですが、チョークのすぐ横にガソリンホースが通っています。
走行時のチョークは、通電によりかなりの高温になってるようで、ガソリンホースが接触しては大変危険です。
だから、チョークには、プラスティックのカバーがかぶさり、ガソリンホースはスプリングで囲んであります。
その辺を意識して、ストロークを調整したチョークを回さないように慎重に組み付けましょう。



今までの不調である発信加速不良は、直ったでしょうか。
シッカリ暖気したあと、エアアジャスティングスクリューを調整します。
今までより、明らかにアイドリング時のアクセルの反応が敏感になりました。
数回の試走により、規定値の1と3/4回転戻しより、2回転戻しのほうがいいようですが、いずれにしても発進のもたつきは完治しましたヨ。


上り坂の突然のパワーダウンは、さていかに・・・???

2ストビーノチョーク劣化

確かに、力強く登っていくようになりましたが、いまいちパワーが足りなく感じるのは、あまりにもスムースな走行なので、本来の登坂力が見えてきたことによるのでしょう。
これから、本格的なジェット類のセッティングです。

しかし、これまでの突然のパワーダウンがどうしてチョークに起因したのでしょうか?
私の推測ですが、上の写真に見るように、ガソリンを溜めるフロート室は、1次と2次の二つの部屋に分かれています。
タンクから来るガソリンは、ポンプなどは無く自然の落下だけでフロート室に流れ込み、小さな1次フロート室に溜まり、あふれた分が2次フロート室に流れ込みます。
この1次フロート室にはチョークからのパイプがきて、2次フロート室のガソリンが多少漏れていても、1次フロート室のガソリンだけで始動する構造です。
チョークが不良の場合、高速時、特に負荷のかかる登坂時に大量に1次フロート室のガソリンをチョークが吸い込み、タンクからの流れ込み量が追いつかなくなって、メインジェットが吸い込む2次フロートの油面が下がった状況になるのではないでしょうか。
だから、ストールはしないもののガス欠状態のようなパワーダウンが発生し、少したつと回復するという不思議な現象だったのでしょう。
また、高速時のアクセルオフのとき、チョークニードルのガソリンがチョークのエア通路から逆噴することにより、エアクリーナがガソリンで濡れている現象も発生します。
もしエアクリーナーがガソリンで濡れているのなら、チョークが原因ですね。


17年もの3万キロ原付スクーター・・・、2年以上の苦労が実った瞬間でした。
エンジン音も軽やかになり、アクセルレスポンスも快適で、まるで新車です。

しかし、本当に完治したのかな?
もし、まだ楽しませてくれるなら、それはそれで最高の相棒だよ!

2ストビーノチョーク劣化

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【その後、試走、セッティング】

まずは、結論から。
完璧です!
坂道グイグイ登ります。

プラグの焼け具合です。

yamaha-vino-plug

いかがでしょう?
少し焼けすぎ(白すぎ)かもしれませんが、メインジェット(#78)をもう少し上げてみる(#80か#82くらいか)ことにしましょう。
それより、今までベトベトしていた外側が綺麗に乾燥していますよ。
低速の燃調が合ってきたのでしょう。

若干、物足りなさが残っていた登坂力。
試走先で、ガスの吹き返しで濡れていたエアクリーナーの湿気を取ってみました。
そして、エアアジャストを2回転戻しから、1+7/8戻しにして、気持ちだけ濃い目に・・・。
その結果、急坂もどこまでも力強く登ってくれるようになりました。
平坦地では、高速からの加速もアクセルワークに敏感に反応します。
スタートのもたつきも皆無です。

結果として、今まで吹かし気味だったのが落ち着いた走行になって、安全運転にも貢献しそうです。
きっと、燃費も向上することでしょう。
季節も秋晴れ、絶好のツーリング日和です。
さて、どこに出かけましょう。
由布院、行きたい!


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【2ストビーノ5auの発進加速不良と登りでのパワーダウン対策!】
試行錯誤の経緯は以下の通りです。
途中だけ読んでいただいた方々、ゴメンナサイ。
2ストビーノファンの参考にしてくださいネ!

その1:原因判明!と思いきや???(マフラー交換、フューエルラインのクランプ強化)
その2:最終章(ジェット類の交換)
その3:これで完結(チョークだったよ原因は)
その4:びっくりぽんだよ燃費166%up!

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モンキーにインタークーラーターボを付けてみました。


 

 

 

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