デトロイト交響楽団の大阪公演に行った。会場はザ・シンフォニーホール。
指揮はレナード・スラットキン、ピアノ独奏は小曽根真。
曲目は、
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
C.マクティー:ダブルプレー
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
チャイコフスキー:交響曲第4番
後半がなぜチャイコフスキーなのか???他ではコープランド交響曲3番をやっているのになあ。
会場の入りは8割ぐらいか。思ったより入っている感じがする。
さて、キャンディード序曲、ビシッとした演奏。クネゴンデのアリアの部分はやっぱり好き。アリアを生で聴きたい!
次は、ダブルプレー。弦と管と打楽器が交互にそれぞれのメロディを繰り返し、弦と管と打楽器のやり取りがだんだん早くなるという曲。すべてのパートがキレキレで、美しい音が響き、極めて爽快だった。演奏が終わって、女性が舞台に現れたが、この人が作曲者なのだろう。
前半最後は、ラプソディー・イン・ブルー。オケのキレとピアノのわずかなゆるさに違和感があったが、まあ、このレベルで聴けたら満足。でもちょっとアドリブ長すぎじゃないか?
ピアノのアンコールあり。(小曽根真:home)
後半はチャイコフスキーの交響曲第4番。オケは相変わらずキレッキレなのだが、音楽はうまい具合に浪漫的で、チャイコフスキーらいしい。第一楽章の弦のうねりが好ましい。それにしても弦や管の、迷うことなく激音を飛ばすのにはすかっとした。金管の美音はこのホールの隅々まで響き渡ったことだろう。
第四楽章でひときわ大きく金管が鳴り響いて、チャイコフスキー終了。大満足。会場当然大喝采。
アンコールは、まず、フェリックス・スラットキンの『悪魔の夢』。スラットキンは、客席から手拍子を要求。これも大喝采。
でその次がなんと『六甲おろし』。序奏で会場から拍手が湧き、スラットキンはタイガースの帽子をかぶって、ノリノリで指揮。客席から拍手や歌を求め、客席を向いて指揮。もっと歌が会場から出たらよかったかも。
会場は興奮の坩堝。
最高潮のうちに公演が終わり、コンサートの余韻に浸った。なんといっても、スラットキンの指揮によるキレがあって美しいオケの演奏が一番印象に残った。デトロイト響といえば、昔のドラティ指揮のCDを思い出すけれど、スラットキンはそれを引き継ぎつつ、さらに機能性の高いオケに育て上げたのだろう。
なんでチャイコやねん、と文句を言ってたくせに、十分満足できた。
個人的には、久しぶりのザ・シンフォニーホールの音が懐かしかった。キャンディードの最初の音を聴いて、「あ、シンフォニーの音や」と思い、ジーンときた。調べると、ザ・シンフォニーホールに来るのは2011年以来6年ぶりのようなので、懐かしいのも当然で、全盛期を思い出してあの時はよかったとしみじみ思った。
やっぱり、いいホールでいいオケを聴けるって幸せだね。また、こういう演奏会を待っているよ。